Dio M.A.-C.ABS・ST1100 Pan-European CBS-ABS
- 1995.12
二輪車のブレーキは、前・後輪の操作系が各々に分かれています。これは四輪車に比べ、ホイールベースが短く重心が高いため、制動時の前・後輪の接地荷重の変化が比較的大きい二輪車は、前・後輪を別々に操作することによって効果的制動を得られることから、最適のシステムとして広く採用されています。
しかし、小型二輪車、特にスクーターユーザーには初心者が多く、自転車での経験から、右レバー(前輪ブレーキ)操作は前輪がロックすると怖いとか、右レバー側にはアクセル操作系や、頻繁に利用するスイッチ類もあるという理由から、左レバー(後輪ブレーキ)の使用頻度が高くなる傾向にあります。ホンダはこれに着目し、より安心感がある使い易いブレーキシステムをめざして「M.A.-C.ABS」を開発いたしました。
ホンダは、'88年のメットイン機構、'90年の油圧式ディスクブレーキ、'94年のセンタースタンド・ロック(ロックイン)機構など、人に優しい最新技術を、スクーターにいち早く採用してきました。今回、ホンダの考える積極安全思想の見地から「M.A.-C.ABS」を必要とするより多くのユーザーの方々にご提供したいと考え、初心者から女性まで幅広いユーザー層に支持を受けている最量販スクーターのDioを搭載機種に選定しました。
これらの結果、ケーブル等を使用したドラム式ブレーキを持つスクーターにも適用できる、世界初の画期的なブレーキシステムである「M.A.-C.ABS」を搭載したDioは、前・後輪のABSと左レバーの前・後輪連動を実現したことによって、ブレーキに対する精神的不安(車輪ロック)の払拭と、効果的なブレーキ操作(前・後輪ブレーキ配分の重要性)を、より一層ユーザーの皆様に理解していただけるスクーターとして具現化することができました。 |

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