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T.R.-C.ABS・M.A.-C.ABS
 
T.R.-C.ABS

開発の狙い

 大型二輪車、特にスポーツツーリングモデルには、“長距離を快適に移動する”ために、ブレーキシステムに対しては、“簡便な操作でより短い距離で停止できる”機能が要求されます。
 '92年、ホンダは、直進制動時のブレーキのかけすぎによる車輪ロックの防止がライダーの精神的負担を軽減することに着目し、ホンダ独自の二輪車専用のABSを開発し、'92年ST1100に搭載しました。
 さらに、二輪車固有の操作フィーリングを損なうことなくイージーオペレーションを実現するために、2系統ある独立した前・後ブレーキを効果的に連動させる、世界初の「Dual Combined Brake System」を開発し、'93年CBR1000Fに採用しました。

 そして今回、ブレーキシステムのさらなる進化を図り、これら2つのシステムをシンプルに結合させた「T.R.-C.ABS」を、個々のシステムが発揮する以上の効果を得られるシステムとして完成させました。

 「Dual Combined Brake System」は、適切な配分で前・後輪のブレーキが同時に作動するため、レバーまたはペダルの単独の操作の比較では、前・後輪独立して操作するブレーキに対して最大発生減速度を飛躍的に向上させることが可能です。また、レバーとペダル操作系各々の配分は、それぞれ前輪と後輪のブレーキが主体となるようセッティングされているため、前・後輪独立操作のブレーキがもつフィーリングを得ることが可能です。

 一方ABSは、車輪の状態からロック傾向を検知し、ブレーキ液圧を調整することによって、滑り易い路面や、路面の変化に対応し、過大な制動力を自動制御し、直進制動時の車体コントロール性を維持することが可能となります。したがって、ライダーは路面状況の変化に必要以上に気をつかうことなく、ライディングそのものに専念できます。

 このように、「Dual Combined Brake System」とABSは、それぞれ得られる効果が異なっています。
 「T.R.-C.ABS」は、「Dual Combined Brake System」とABSそれぞれのシステムを基本的部分から見直し、シンプル化するとともに、両システムの結合を実現させました。
 これにより、レバーまたはペダル単独操作での最大発生減速度を向上させると同時に、ブレーキのかけすぎによる車輪ロックを自動制御し、特にペダル操作のみで、後輪のABS作動後も入力を追加し、前輪の制動力をさらに増加させることで、ほぼ最大の減速度を得られることが可能となりました。

 「T.R.-C.ABS」の効果によって、様々な走行条件下で、“簡便な操作でより短い距離で停止できる”ことが可能となり、特に大型二輪車に最適な世界初の画期的なブレーキシステムが実現しました。

 開発にあたっては、従来あるシステムの単純な合体では機構自体が非常に複雑となるため、それぞれのシステムの大幅な見直しが要求されました。
 「Dual Combined Brake System」の見直しにあたっては、CBR1000Fで採用したタイプの軽量化を重点に、細部にわたる見直しが行われ、ABSについては、ST1100とは全く異なる構造原理を新たに考案しました。




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