MC-A.L.B. - 1987.10

Technology
MC-A.L.B.
 
構造と作動原理

1システム構成
 このMC-ALBは、(図-3)に示すように前後独立したブレーキシステムを構成しています。前後輪の車軸中央部に配置したMC-ALBユニットは、それぞれのホイールハブ内に装備されるコンパクトな構造です。これは、車体側に特別なスペースやマウントを必要とせず、従来のモーターサイクル設計と、ほとんど変らない自由度を持つことも特徴のひとつです。
 ユニット以外の部品は、1輪当たり高圧配管1本、低圧(リザーブ系)配管1本を追加するだけの、シンプルな構成です。しかも、ユニット単体重量は、バネ下重量への影響を、最小限にとどめられる軽さです。
 液圧経路は、マスターシリンダーの液圧が、MC-ALBユニットからキャリパーを経て、制動力を発生させる高圧配管系と、MC-ALBユニットとリザーブタンクを結ぶ低圧配管系とで構成されます。

(図-3)MC-ALBシステム構成
(図-3)MC-ALBシステム構成

2ユニット構成
 このMC-ALBは、(図-4)(図-5)に示すような原理構造で、マスターシリンダーとキャリパーの中間にアンチロックブレーキ機構を設けています。
 ダンプバルブを作動させるフライホイール回転センサーは、車輪からインターナルギア、ポンプギアを介して3倍に増速駆動され、中間軸上のポンプカムでポンプピストンを動かす構造です。
 液圧経路にはカットバルブ、エキスパンダーピストン等が設けてあります。

(図-4)MC-ALB原理構造図   (図-5)MC-ALBユニット分解図
(図-4)MC-ALB原理構造図 (図-5)MC-ALBユニット分解図



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