MC-A.L.B. - 1987.10

Technology
MC-A.L.B.
 
MC-ALBのもたらすもの

MC-ALBは、タイヤの制動力を最大限に有効活用する
 このMC-ALBは、熟練ライダーが直進制動時に行う、微妙なブレーキ操作と同じように制動力のコントロールを自動的に、しかも継続的に制御するものであり、マシンの持つ制動能力をより効果的に活用するものです。   図-1
(図-1)

MC-ALBはライダーに作動状況をフィードバックする
 ブレーキ使用時、MC-ALBが作動すると、ブレーキレバー、又は、ブレーキペダルに軽い脈動が発生します。(図-1)
 グリップ力の大きな路面では、比較的大きな操作力でMC-ALBは作動し(A)、すべり易い路面では、より少ない操作力でMC-ALBが作動し、ブレーキレバーやブレーキペダルに脈動を発生させます。(B)
 ライダーは、この脈動を感じとることにより、タイヤと路面の摩擦力が限界に近づいていることを知ることができ、これをより積極的にライディングコントロールのために活用することが可能となります。

MC-ALBは、制動時のライダーの負担を軽減する
 モーターサイクルは、前後それぞれ別系統のブレーキを装備しています。この使われ方には、
  (1) それぞれ単独操作
  (2) 同時操作
  (3) あるいはどちらかの系統を先に操作し、追ってもう一方も使用する
等、いくつかの組合わせがあります。ライダーは、状況に応じこれらのいずれかを選択し、注意深くコントロールを行っています。
 MC-ALBはこの場合、これらのブレーキ操作の組合せや制動力のコントロールなど、ライダーの負担を軽減します。

いろいろな技量のライダーによる急制動テスト
 (図-2)に当社テストライダー、及びレーシングライダー等による、各路面におけるMC-ALB装着車と、MC-ALB非装着車の急制動減速度(G)のテスト結果を示します。
 MC-ALB非装着車の制動減速度(G)は、ライダーの技量により比較的幅広く分布しますが、MC-ALB装着車は、ライダーによる影響がより少ないことがわかります。
MC-ALB装着車、非装着車とも、タイヤがグリップを失う限界性は、タイヤと路面状態による摩擦力によって決まります。
したがって、MC-ALBはマシンの持つ制動限界を高めたり、コーナリング中のブレーキ限界性を高めるものではありません。
  (図-2)減速度 比較
    (図-2)減速度比較



← 前ページへ--- 目次へ--- 次のページへ →