パワーユニット(4)


■ダイレクト・エア・インダクション・システム
 CBR600RRに採用した特徴的な機構の一つに、ダイレクト・エア・インダクション・システムがあります。このシステムは、マシンで最も空気圧のかかるフロントカウル中央部のエアインテークから、ステアリングヘッド脇の流路を通じて大量の空気をエアクリーナーボックスへと直接送り込むことで、エンジンパワーを効果的に生み出すことに寄与しています。
 このシステムは、FIMスーパーバイク世界選手権で2002年にチャンピオンマシンとして活躍したVTR1000 SP-2に採用した機構をベースとし、スムーズに大量の空気を高速で送り込むことで、ワインディングやサーキットを軽快に走行できるトルクフルな出力を生み出します。
 従来モデルに比べてエアクリーナーボックス容量も0.7L拡大することで、ECUプログラムが一新したPGM-DSFIの性能とあいまって、最適な出力特性を実現しています。
 また、ステアリングヘッドとの間にあるガラス繊維入りポリプロピレン製の大型インテークポートエクステンションは、フロントカウルやヘッドライトを支えるのに十分な強度を確保しながらも、軽量化にも寄与しています。また、インテークポートエクステンションに連結して結合される、中空のミラー・メーターステイに、エアチャンバーとしての機能を持たせる事で、アクセル急開時のトランジェント(過渡状態)出力特性の向上に寄与しています。
 さらに、吸気ダクト内に配置したレゾネーターチャンバーにより、吸気音を低減させながらも、心地よい音を演出します。

※写真は輸出仕様です。


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