XR - 1995.02

XR
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パワーユニット


オートカムデコンプ機構とは


オートカムデコンプ機構は、カムシャフトの正転時と逆転時それぞれの作動機構によって、始動時のシリンダー内の圧縮を減圧するものであり、以下の原理で作動する。
オートカムデコンプ機構


正転デコンプ
 始動時のクランキング回転数において圧縮行程時にデコンプカムプレートがロッカーアームを押し上げ、排気バルブを僅かにひらいて圧縮を抜きクランキングトルクを軽減する。
 デコンプのリフトが終わり、さらにカムが回ると今度は逆にロッカーアームがデコンプカムプレートをカムプロフィール内に押し戻す。ここでエンジンが始動し、カムシャフト回転数が上昇するとデコンプカムプレートは遠心力によってカムプロフィール内に引き込まれたままとなり、デコンプが解除された状態を保持する。仮にエンジンがかからなかった場合はカムシャフトの回転数が上がらないので、再びデコンプカムプレートはロッカーアームを押し上げる位置にスプリングの力で戻りエンジンがかかるまで同じ動作を繰り返す。
正転デコンプ


逆転デコンプ
 エンジンを停止させるため点火を切った場合、クランクは圧縮上死点を乗り越える直前でシリンダー内のコンプレッションによってピストンが押し戻され、ある角度だけ逆転して停止する。このカムシャフトの逆回転を積極的に利用し、正転デコンプとは別機構の逆転デコンプを作用させ、排気バルブを僅かに開いておき、次回始動時のクランキングトルクを軽減する。正転デコンプとのコンビネーションによって常に効果的なデコンプ作用を果たす。
逆転デコンプ



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