XR - 1995.02

XR
XR
 
フレーム

エンジンハンガーとリアフォークピボットの同軸化
 エンジンハンガーとリアフォークの取り付け構造は、ピボット部をエンジン後部のマウントと共用させることで、フレームボディのピボット部の構造を従来のプレートタイプから抱き合わせ構造(モナカタイプ)に変更し、剛性の向上を図るとともに、リアフォークを含めた足廻り剛性とフレーム剛性を高次元でバランスさせました。さらに適切なジオメトリーの設定によって操縦安定性の向上にも寄与させています。
 また、これによって従来2ヶ所の後部エンジンハンガーを1ヶ所とすることが可能となり、クランクケースの軽量・コンパクト化が実現しました。
フレームのダウンサイジング化
 フレームのダウンサイジングにあたっては、エンジン後部マウントと同軸リアフォークピボットを採用し、エンジンマウント数を従来の5点から4点に減らすことによって、ボルトやステー類を削減し、軽量化に寄与させるとともに、エンジン後部のマウントボルトをなくすことで限りなくセンターパイプをエンジンに近づけ、クレードルの小型化による軽量化と剛性アップを実現することができました。
 さらに、センターパイプの角断面化および、ダウンチューブサイズの見直し、メインパイプの角度の見直しなどとあいまって、メインフレームの横剛性・捻れ剛性ともに向上させ、トータルで約10%の剛性アップを実現させました。


フレーム比較(’94XR250R比較)
フレーム比較(’94XR250R比較)

フレーム比較(’95スーパーXR250R比較)
フレーム比較(’95スーパーXR250R比較)

サブフレーム
 エアクリーナーケースの容量を最大限に確保(4.0L→4.5L)するとともに、メインフレームとの結合剛性を最適化し、優れた操縦安定性の得られるフレームとするために、サブフレームはボルトオンタイプとしました。
 構成は、スーパーXR250Rと同様に、3本のボルトによってサブフレームをメインフレームに結合させるものとし、さらに、クロスメンバーの形状や位置の最適化によって、ギャップなどでのリア廻り(マフラーなど)のバネ上の動きを吸収するなど、しなやかなフレームとしています。また、ボルトオンタイプとすることによって、リアクッションのメンテナンス性の向上を図るとともに、後部フレームにダメージが発生した場合にも、サブフレームのみの交換で対処できるなど、より実戦的なフレームとしています。また、完成車重量の増加に対応してクロスメンバーにパイプ材を採用しました。


小型・軽量バッテリーの搭載
 エンジンにオートカムデコンプ機構を採用しバッテリーの小型・軽量化が可能となり、マス集中への影響を最小限に抑えながら、バッテリーを左側サイドカバー内に配置することが可能となりました。これによって、トルクフルな低・中回転域の出力特性を維持できるスーパーXR250Rと同タイプの大容量のエアクリーナーケースの採用が可能となりました。
 さらに、バッテリーボックス内にヒューズボックス、スターティングマグネットを配置することで、併せてメンテナンス性の向上も図りました。
バッテリー
エアクリーナーケース
 低・中回転域でのトルク特性の向上を目指してスーパーXR250Rと同タイプの大容量4.5Lのエアクリーナーケースを採用し、キャブレターの変更および、ストリート・ユースにおける騒音対策に対応するためにコネクティングチューブやインレットダクト、吸気レゾネーターを装備しています。
 また、優れたメンテナンス性と長いメンテナンスインターバルを確保するために、XR650Lと同タイプの大容量ビスカス式エアクリーナーエレメントを採用しています。
 さらに、エアクリーナーメンテナンスリッドは従来の3点ワンタッチクリップによる着脱式から、2点ワンタッチクリップのヒンジ付き開閉式とし、クイックメンテナンスを実現させています。また、リッド自体も小型化させることでシール性も向上させています。
エアクリーナーケース
排気系
 エキゾーストパイプは、扱いやすい出力特性を実現させるため、スーパーXR250Rと同じ管長を確保しながらも管径をφ28.6mm→φ25.4mmに変更しセッティングの最適化を図りました。
 また、マフラーは’94XLR250Rと同様の3室膨張型構造としながらも前部にレゾネーター部を内蔵するとともに、容量をアップさせることで、大幅な低・中回転域のトルク特性の向上を実現しています。
 また、後側円筒部には全周挿入タイプのグラスウールを採用し静粛性を向上させました。

マフラー マフラー
マフラー  


ステップ廻り
 ステップ廻りは、フレームを凹化させてブレーキペダルピボットを設け、フラット化を図るとともに、キックアームをオプションパーツ化することで、スーパーXR250Rと比べて大型のマスターシリンダーガードを装備する事が可能となりました。
 また、ブレーキ側ステップブラケットにはステンレスロストワックスを採用して耐錆性を向上させたほか、ブレーキ/チェンジペダルの耐久性を向上させるとともに、チェンジペダルは街乗りでの使い勝手に考慮してラバー付きとしています。


サイドスタンド
 轍での引っかかりを最小限に抑えて走破性の向上に寄与させるため、サイドスタントスイッチカバーを新設計し、スタンド収納時の跳ね上げ角を’94XLR250Rの79°30′から、95°00′に大幅にアップさせました。
  サイドスタンド
クラッチレバーホルダー
 グリップラバーを外すことなく交換が可能な2分割式クラッチレバーホルダーを採用し、エンデューロレース出場時などのメンテナンス性に配慮しています。また、クラッチレバーは鍛造とし、耐久性の高いものとしています。



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