X4 - 1997.03

X4
X4
 
ライディングポジション

 ライディングポジションは「独特のキャラクターを演出するために、大地に踏ん張るような、圧倒的に低いポジション設定と快適性を損なわないシート形状、高さ」を目標に開発を進めました。

 具体的には、カスタムでありながらも独特のキャラクターを表現すべく、ハンドル幅を560mmと極端に狭くし、絞り角を18.5°と少なめのセッティングとしました。また、前後位置も若干前傾ぎみのポジションとしています。
 また、ステップ幅は12.3kgmの大トルクを受けとめるべく580mmの幅広の若干後退させたものとし、シート高はビッグインライン4としては圧倒的に低い730mmの低シート高としています。

 これらのディメンションを受けて、誰もが安心して扱える足着き性と、乗り心地性を実現するため、シート高、シート形状、シート硬度、表皮材質等に徹底してこだわるとともに、中型二輪からのステップアップのライダーにも無理なく乗りこなせる足着き性を求めました。
 具体的には、シート高を730mmに設定するとともに、足着き時にスムーズに足が出せるようクッション形状はシート前方の幅を45°方向にカットしています。また、シート面圧が局部的に高くならないようフラットな上面形状とするとともに、ウレタン厚を80mmとすることで、シートのクッションストロークを確保し快適な乗り心地性を実現しました。

ライディングポジション比較(上面)
ライディングポジション比較(上面)
 
ライディングポジション比較(側面)
ライディングポジション比較(側面)

シート構造
 X4のシートは、抑揚のある形状に2種類の表面シボパターンを組み合わせた、質感が高く特徴的な形状を採用しています。また、今回乗り心地性と足着き性を両立させながら、デザイン面でも独特の形状を成立させるため、内部構造にも新たな試みを行っています。
 具体的には、図の太線が示す凹ラインを境に表皮のシボ加工表面デザインのパターンを変更しています。一般的に、このように2種類の表皮を組み合わせている場合、それぞれを内側に折り込んで高周波溶着でつなぎ合わせています。
 X4ではさらにこの部分と外観の凹ラインを一致させ前後の座席に連続したデザイン処理を施すため写真のような構造を採用しています。
 構造は、まず2種類の表皮を溶着結合した後、硬めのターボリン布をU字状に折り曲げたものを縫製結合しています。そして、このターボリン布に通した前8箇所後3箇所のナイロン糸でクッション材にあけた筒状の穴を通して、シートボトムプレート側に引っ張っています。シートボトム側はリング状のナイロン糸にフックを通してボトムにセットする構造としています。
 今回、U字型ターボリン布を採用したことによって剛性を上げることを可能とするとともにシートラインを綺麗に通すことが可能となりました。

シート断面
シート断面



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