X4 - 1997.03

X4
X4
 
パワーユニット

3.排気系諸元の設定
  充填効率特性(吸入系+排気系装着時)
充填効率特性
(吸入系+排気系装着時)
 排気系は4-1-2集合とし、マフラー径を片側φ150mm/5L容量、集合部チャンバー部分を約φ130mm相当/約3Lとし、トータルで13Lの容量を確保しています。
 エキゾーストパイプは、管径をφ31.8mmとするとともに、管長を1番と4番を865mm、2番と3番を950mmと大幅に管長を稼いだ排気系としています。さらにエキゾーストパイプ端末をφ25.4mmに絞ることでさらに管長を稼ぐ効果が得られる排気系としています。
 これらの排気系の設定によって、低・中速域のさらなる体積効果の向上を図りました。

マフラー断面
マフラー断面

4.クランク慣性モーメントとピストン往復部重量の設定
 極太トルクを扱い易いものとしながらもトルク感の味わえるエンジン特性とするため、クランクシャフトの慣性マスのアップとピストン往復部の軽量化によって回転変動の減少を図っています。
 具体的には、CB1000 SUPER FOURと比較してクランクシャフト系の慣性モーメントを約70%向上(クランク:約40%、一体ACジェネレータ:約30%)させるとともに、ピストン往復部(ピストンASSY、コンロッド小端部)の重量を約11%軽量化することで、狙いとしたエンジン特性を得ることができました。

クランクウェブ比較
クランクウェブ比較

5.クラッチ容量の設定
  クラッチ容量
 12.3kgmの最大トルクを確実に路面に伝達させるため、十分なクラッチ容量を設定しました。
 クラッチは、フリクションディスクをCB1000 SUPER FOURの9枚から10枚へと増やすとともに、フェーシング材をコルクモールドからペーパーモールドに変更し、フィーリングの向上およびクラッチ容量のアップを図るとともに、ダンパー容量を約40%アップさせることで、極太トルクを安定して確実に路面に伝えるクラッチを実現しました。



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