WING - 1977.12

WING GL500
WING GL500
 
HONDA WING GL500の技術説明

2.車体

車体構造は、高い剛性を持ち、全体ではしなやかな柔軟性をもかねそなえています。車両重量の集中化もあいまって高出力エンジン性能の発揮を可能にしました。


a.車体構造

車体構造には、新設計のダイヤモンド型鋼管鋼板製フレームを使用。
このフレームは、堅牢なエンジンブロックをフレームの強度部材として構成させ、フレーム全体としての強度を得ること、およびフレームとエンジンの、重量が車両重心になるべく近くなることの2点をねらって設計しました。
このことが、取り回しを実際の車両重量より軽く感じさせ、同時に良好な操縦性をもたらしています。

車体構造


b.サスペンション

前輪には、幅広い使用条件に応えられるストローク140m/mのテレスコピックタイプ。三段階に変化する特殊なスプリングを採用しています。後輪には、路面の凹凸や車速変化に素早く応動し、タイヤの接地性が高く、衝撃吸収性のすぐれた新設計のFVQダンパーを装備。振動によるダンパーオイル温度の変化に対するクッション性能の劣化も極めて少なく、すぐれた路面追従性とあいまって乗り心地を犠牲にすることなく操縦安定性を高めています。


NEW HONDA FVQ DAMPER
 
「FVQダンパー」
ダンパー機構は、ピストン、スプリング、ピストン内部の流体(油、チッソガスなど)で構成されています。そして衝撃を受けたときに機構自身が収縮しながら衝撃エネルギーを吸収し、車体の衝撃が伝わることを防いでいます。
この衝撃エネルギーを吸収する力を減衰力といい、吸収のしかたを減衰力特性と呼んでいます。
衝撃によって移動しようとする油の流れを制御するバルブ構造の変更により、減衰力を2段階に設定して、広範囲な条件において最良の乗り心地を求めました。
FVQダンパーは、従来、板バネとオリフィスだけでコントロールしていた減衰力を更にコイル・スプリングとチェックバルグを設けることによってスピード(ピストン)に応じて可変的な減衰力特性をもたせたものです。
FVQダンパー
(1)
ダンパーロッド
(2)
ピストンバルブASSY
(3)
ダンパーシリンダー
(4)
ダンパーケース
(5)
タンク
(6)
ホームバルブASSY


減衰力特性曲線
減衰力特性曲線

FVQダンパー
従来のダンパー




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