VFR400R - 1987.02

VFR400R
VFR400R
 
ENGINE

速く走るために創り出された“Force V4”水冷4サイクルDOHC90度V型4気筒16バルブエンジン。高回転・高出力を実現する最先端テクノロジー、カムギアトレーンを搭載し、最高出力59ps/12,500rpm、最大トルク4.0kg-m/10,000rpmを発揮します。

燃焼システムの徹底的見直しは、遂にリッタートルク10kg-mを実現

VFR400 Rは高出力と高トルクを両立させながら、市販車としてはこれまでむずかしいとされていたリッター当たりのトルク10kg-m('86 VFR400 9.27kg-m)を実現しました。これは400cc 4サイクルスーパースポーツでは最高の数値です。全域にわたって向上したトルクは、圧倒的な加速感とアクセルを開けた瞬間に反応する鋭いレスポンスを実現しています。この圧倒的な走りはエンジンの吸・排気系、点火系という燃焼システムの徹底的な見直しから生まれています。

●吸気系
・エアファンネルの採用
・キャブレターのサイズアップ
・バルブタイミングの変更

エアクリーナーから、キャブレター、燃焼室までの吸気系を一直線に結ぶ、ストレートインテーク。このストレートポートの形状を変更させるとともに、インレットバルブ径をφ21.5mmからφ22.0mmにサイズアップし、混合気の充てん効率を向上させました。
そして、エアファンネルを新採用し、吸入効率を高めるとともに、8,000rpm以上のトルクのアップを実現しました。
またキャブレターのサイズを従来のφ30mmからφ32mmに変更。さらに、底面R付バキューム・ピストンの採用により、10,000rpm以上のトルクアップとパワーの伸びを実現しました。
加えて、バルブタイミング、圧縮比の変更など、吸気系の大幅な見直しをしました。

●排気系
・マフラーボリュームのアップ

ハイポテンシャルなエンジン性能を発揮するためには、バランスのとれた吸・排気機能が必要不可欠です。VFR400 Rは吸気効率のアップに伴い、それに見合った高い排気効率を実現するため、エキゾーストシステムの大幅な見直しをしました。テールパイプ径をこれまでのφ26.5mmからφ28.6mmに変更したのを始め、マフラーボリュームを全体で従来の2.8Lから3.2Lへ容量をアップ。これにより、吸・排気機能のバランスを確保するとともに、かつてない燃焼効率を実現しました。

●点火系
・デシタル・イグナイターの採用

強烈なエンジンパワーを発揮するためには、点火系も重要な役割をはたします。VFR400 Rは点火システムを従来のアナログ式からデシタル式へ変更。マイクロコンピューターを使用し、各回転速度での最適点火時期を正確に実現することにより、出力を最大限に引き出します。

—デジタルとアナログの点火時期設定特性— —点火時期の差による出力の変化—
—デジタルとアナログの点火時期設定特性—   —点火時期の差による出力の変化—

●フリクションロスの徹底低減
VFR400 Rは大幅なトルクアップとともに、高回転域でのパワー特性をさらに向上させるために動弁系のフリクションロスの徹底低減をはかりました。クランクシャフトからの駆動力をきわめてダイレクトにカムシャフトに伝達するカムギアトレーンを採用。高回転時の正確なバルブ開閉時期を実現するとともにフリクションロスを大幅に低減しました。さらに吸・排バルブのステム径をφ5mmからφ4.5mmへ細軸化。動弁系の軽量化と摺動抵抗の軽減でフリクションロスを低減しました。
こうして実現したフリクションロスの徹底低減は、エンジンの高回転化に寄与。レッドゾーンの入り口、14,000rpmという高回転エンジンはここから生み出されました。

エンジン



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