STEED - 1998.02

STEED
STEED
 
足廻り

フロントサスペンション
 フロントサスペンションは、ロー&ロングフォルムのさらなるローダウン化をめざし、フリクションが少なく作動性に定評のあるボトムリンクサスペンションに着目し、スプリンガーフォークの採用を決定しました。また今回、従来のスプリンガーフォーク構造に対し、よりフリクションを低減する手法として、フォーク中央部にリンクを追加し、クッション摺動部に極力ベンディングが働かない構造としています。さらに、ピボットアーム部には、アンギュラベアリングを組み合わせて採用し、フリクションの低減を図っています。

 これらの結果、従来モデルのテレスコピックフォークに対し、STEED VLSのスプリンガーフォークでは約50%のフリクションの低減を実現。また、2段スプリングの採用によって、アクスルストロークを16mm短縮し、どっしり落ち着きあるハンドリング特性と、従来モデルに優るカスタムライクな乗り心地性を両立しました。
フロントサスペンション

フロントサスペンション反力特性図
フロントサスペンション反力特性図
操舵剛性の確保
 スプリンガーフォークは、テレスコピックフォークに対し可動部が多いため、以下の手法により操舵系の剛性を確保しています。まず、フォーク中央部にリンクアームを設置し、クッションプッシュロッドおよび、フォークパイプを連結することで、捻れとたわみを最小限に抑えました。
 次に、ピボットアーム部には、アンギュラベアリングを組み合わせて採用し、ラジアル方向だけでなくスラスト方向のがたを最小限に抑えました。これらの結果、テレスコピックフォークに対し操舵剛性で約2倍の向上を達成しました。

 これらによって、直進安定性に優れたカスタムライクなハンドリング特性も同時に実現しています。

操舵剛性の確保
アライメント
 キャスター角を従来モデル同様35°に設定し、フォークパイプを5°逆スラント化したアライメントを設定し、136mmのトレール量を確保しました。
 これによって、21インチ大径ホイールおよび90/90-21 54Sのフロントタイヤの採用とあいまって、走破性と直進安定性の向上を図っています。


ディメンション
ディメンション
軽量化
 従来のテレスコピックフォークの利点である軽量・シンプルな構造に対し、スプリンガーフォークは、複雑な構造を採用しているために重量増加は避けて通れません。そこで今回プッシュロッドブラケット、クッションアッパーブラケットをアルミ鍛造化するとともに、アッパーアーム、フェンダーリンクをアルミダイキャスト製とし、操舵系の軽量化を図りました。
 この結果、従来のテレスコピックフォークを採用した操舵系に対し、8kgの重量増加に抑えるとともに、どっしりと落ち着き感のあるカスタムライクなハンドリング特性をも実現しました。
フロントブレーキ
 フロントブレーキは、φ296mmの大径シングルディスクと専用設計の対向2ポットキャリパーを組み合わせて装備することで十分な制動効力を発揮するものとし、さらに、ブレーキング時にフロント廻りの沈み込みを適度に押さえるアンチダイブジオメトリーを採用するなど、車体の挙動変化を少なくしたより自然な制動フィーリングが得られる制動系としています。


フロントブレーキ


リアサスペンション
 従来モデルの1段スプリングに対し、3段スプリングを採用し、ストローク配分の見直しによって、車体全体を10mmローダウン化しました。



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