Shadow - 1997.03

shadow
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パワーユニット

 STEED(600)の後継機種のパワーユニット選択にあたっては、最高出力の数値よりも 粘りのあるトルク感を求めて750cc、800ccの排気量を検討した結果、 ロングストロークで、かつミドルクラスの排気量である750ccを選択しました。
 エンジンのスペックに関しては、STEED(600)と比較検討した結果、ボア、 ストロークともに拡大したボア79mm×ストローク76mmの745cm3に決定しました。 そして今回、SHADOW(750)のボア・ストローク比は、STEED(600)の0.88から 0.962となり、ロングストロークエンジンとして高い評価を獲得している STEED(400)の0.968に近い設定としました。
 次に、カスタムとしての鼓動感やトルクの粘り強さを表現するため、SHADOW(750) ではクランク、ACGフライホイール等のマスの向上を図りました(約33%向上)。
 また、出力特性の味付けにあたっては、より低回転で最高出力を発揮し、 かつ高いトルクをフラットに発生させる吸・排気系のセッティングを施しました。 この結果SHADOW(400)/(750)ともにアメリカンカスタムカテゴリーでクラス最高の トルク値を発揮しています。

エアーインテークフロー
エアーインテークフロー
 具体的な出力特性のセッティングは、吸気系の容量アップを図りさらに吸入管長を 伸ばすことによって低回転域重視のセッティングとしています。(SHADOW(400)/(750))
 また、吸気系の容量アップに伴い排気効率の向上を図りました。具体的には、 エキゾーストパイプの管長をかせぐとともに、前・後シリンダーの等長化を図るため、 低く太い集合風マフラーの内部を前後で分割し、さらにマフラー内部で前・後を 連通させる構造をとっています。今回、SHADOW(400)、SHADOW(750)ともに、排気系は それぞれ最適なパイプサイズを設定した専用設計としながらも、各々に最適な排気音と 出力特性を発揮するよう、特に留意した設計としています。

出力特性比較(SHADOW750)
出力特性比較(SHADOW750)
出力特性比較(SHADOW400)
出力特性比較(SHADOW400)
SHADOW 750マフラー
SHADOW 750マフラー
SHADOW 400マフラー
SHADOW 400マフラー

排気音周波数特性比較
排気音周波数特性比較

車速線図
車速線図(SHADOW400)
 ミッションレシオは、SHADOW(400)、SHADOW(750)ともに、出力特性に対しレシオを よりワイドに変更するとともに、リヤホイールダンパーの特性を最適化することに よって、低回転域から中回転域まで、Vツインエンジン特有の心地良いトルク感を 実現しています。


エンジン外観

  エンジン外観デザインにもカスタムとしてのこだわりを注いでいます。 視覚的にパワーユニットの力強さを表現するために、シリンダー、 シリンダーヘッド、ヘッドカバー、左右ケースカバー等、全ての外観部品に デザイン処理を施し、迫力あるエンジンを演出しました。
 具体的には、全てのカバー類にバフ仕上げの後にクロームメッキ処理を採用する とともに、シリンダー、シリンダーヘッド、左右クランクケースには精悍な ブラック塗装を施し、さらにフィン先端は塗装後に切削加工を施すことで高級感を演出しています。



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