SHADOW(400)/(750)の開発にあたっては“ミドルクラスのVツインカスタム・モデルは
どうあるべきか”を徹底して追求した結果、ホンダのアメリカン・カスタム造りの
基本指針である『SPIRIT OF THE PHOENIX』を継承しつつ、従来のアメリカン・カスタム
モデルに最新のカスタムトレンドを付加したスタイリングを目指し、キーワードを
“NEW AMERICAN CLASSIC CUSTOM”と決定し、プロジェクトをスタートさせました。
具体的なスタイリングの策定にあたっては、世界的に拡大傾向にあるアメリカン・
カスタムのトレンドリーダーはやはり本場のアメリカであり、現在この市場が
どうなっているか、また、今後どう変化してゆくのかを的確に把握するため、
アメリカの市場調査をHRA(ホンダR&Dノースアメリカ)が実施することから始めました。
アメリカには古くから数多くのカスタムショーがあり、毎年出品されるモーター
サイクルを見ることによってトレンドが予測されます。そして、これらのショーの
傾向から、“レトロスタイルにパフォーマンスパーツを組み込んだデザイン”が
年々増加していることに着目し、SHADOW(400)/(750)のデザインは、レトロ感覚に
先進性を盛り込んだデザインを基本に展開し、カスタムの基本形であるロング&ローの
デザインをさらに推し進めた、“より長く&より低く&より力強く”レトロな雰囲気と
ゴージャスな感覚を併せ持ったものとしました。
これらのトレンドを、“開拓時代のカウボーイが馬を操る姿”をイメージするフォルムに
融合させ、クラスオーバーの風格とボリューム感を主張する大柄な作り込みの中に表現
しスケッチを展開しました。
そして具現化されたSHADOW(400)/(750)は、普遍的なクラッシックフォルムの中に、
個性を演出するパーツやディテールを加え、オリジナリティ溢れる表情のスタイリング
としました。
具体的には、Vツインエンジンの力強い脈動をイメージした太く逞しいエクゾースト
フォルムが、シンプルで力強いロー&ロングのスタイリングをさらに際立たせているほか、
新デザインのVツインエンジンと楕円形の面構成を持つエアクリーナーケースが
クラシカルな中にエモーショナルな雰囲気を漂わせています。
さらに、水平基調の砲弾型のヘッドライトケースや、ワイドでありながらも滑らかで
流麗なプロポーションを強調するティアドロップ型のフューエルタンクなどに、
メタル感を意識した銃やナイフのイメージを与えながらも、エレガントさを
感じさせるデザインとし、最終的にはこれらを高質で装飾性の高いフィニッシュワーク
でまとめました。
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