NS250F/R - 1984.04

NS250F/R
NS250F/R
 
主な特長1

HRCレーシングマシンRS250Rの基本設計を踏襲した
高性能2サイクルエンジン!

新設計
水冷2サイクル90度V型2気筒
独自の新機構、新テクノロジーで、2サイクルエンジンを革新。

高性能2サイクルエンジン

理論上1次振動“0”を実現。しかも、軽量・コンパクト・スリム。2サイクルテクノロジーを駆使し、最高出力45ps/9,500rpm、最大トルク3.6kg-m/8,500rpmを達成した高性能2サイクルエンジン。

高性能2サイクルエンジン


新採用
軽量+放熱性
NSシリンダー

  NS(ニッケル/シリコン・カーバイド)メッキによって軽量化と耐焼付性、耐摩耗性において格段の向上をはかりました。
このNSシリンダーはNS500のノウハウをそのまま市販車のNS250F/Rに反映したもので、シリンダーの内壁をニッケル素地にシリコン・カーバイド粒子を分散させた皮膜でコーティング処理しています。これにより、ピストンと同素材のアルミ製一体成型シリンダーを実現。鋳鉄スリーブを持たないので、軽量化はもとより、熱伝導性が良く、放熱効果が向上。さらに、ピストン、シリンダーそれぞれの熱膨張率が同じなので、温度が変化してもピストン、シリンダーのクリアランスが一定に保たれ、安定したパワーが得られます。

NSシリンダー  
(1) コーティング加工層
(2) シリンダー(アルミニウム母材)
(3) シリコン・カーバイド粒子
(4) ニッケル素地


新機構
エレクトリックコントロール
ATAC (Auto controlled Torque Amplification Chamber)

高速域でのパワーはそのままに、低・中速域でのトルクアップをもたらすホンダ独自のシステムATACはさらに進化し、NS500用に開発されたエレクトリックATACとして結晶しました。このエレクトリックコントロールATACが、そのままNS250F/Rにフィードバックされています。

ATAC (Auto controlledTorque Amplification Chamber)

エレクトリックコントロールATAC構造図と原理図
エンジン回転数を電気的に検知、ソレノイドが反応。リンケージを介入して、サブ・チャンバーに連結したバルブの開閉を行ないます。低回転時にはバルブが開いており、脈動圧力波はサブ・チャンバーへと導かれますが、高回転時にはバルブが閉じて主排気系だけが機能します。
図(1)
図(1)
図(2)
図(2)
図(1) ATACがはたらかないときの低回転時
脈動圧力波のタイミングがずれて、吸入ガスが負圧により燃焼室から引き出され、いわゆる吹き抜けの状態になってしまう。
図(2) ATACがはたらいたときの低回転時
サブチャンバーに排気脈動を導入、タイミングのよい脈動圧力波が合成される。高回転時にはバルブが閉じて主チャンバーだけに排気が流れ、高回転に適応した排気脈動となる。

スラント型フラットバルブキャブレター
コンパクトボディながら、ボア径が大きくとれ、ピックアップの良いスクウェアバルブを採用した専用キャブレターです。

スラント型フラットバルブキャブレター

二重構造・アルミサイレンサー
アウターケースはアルミ製のレーサー風デザイン。

二重構造・アルミサイレンサー

オールアルミラジエター
充分な放熱効果を得ながら小型軽量化するため、オールアルミ製ラジエターを採用しています。

オールアルミラジエター



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