CBR400RR - 1990.02

CBR400RR
CBR400RR
 
ダイレクト・レスポンス・ハンドリング

(2) マス集中と剛性バランス

 ダイレクト・レスポンス・ハンドリングを具現化するため、「マス集中化」を完成車にとどまらず、ライダー自身の重量にも着目し、着座位置をより重心に近づける設定としました。(シート高 : 765mm→750mm、前後方向 : 前へ15mm) また、LCGフレームの採用や、リアホイールの17インチ化にともないフューエルタンク、シート、シートカウルなども重心に近づけることが可能となり、この結果、

ロール慣性: -3.8%
ヨ−慣性: -3.5%
ピッチ慣性: -4.0%

を達成し、軽快な操縦フィーリングを生み出す素地を設定。
 さらに、しなやかな操縦フィーリングを得るためフレームとリアフォークの横剛性とねじれ剛性を絶妙にバランスさせました。

 具体的には、動き出しの応答性を高めるため横断面を広げたバックボーン・フレームに、高剛性のシリンダー/クランクケース一体エンジンを固定することなどによって、横剛性を高め、つぎに、路面外乱の吸収性(しなやかさ)を高めるため、フレームやリアフォーク構造そのものを、剛性が必要な部分は強く、不要のところは弱く設定し、マシントータルでの剛性バランスの最適化を図りました。
 結果的に単体剛性は、


    ねじれ  
フレーム   +17%   同等   同等
リアフォーク   +23%   -20%   同等

になっています。

(3) ディメンション
 
 より優れた操縦フィーリングを実現するため、軽快性(車体慣性マス集中)と操縦性の動き出しのレスポンス(剛性バランス)を高め、さらに、ディメンションを最適設定することでダイレクト・レスポンス・ハンドリングを徹底追求しました。
 具体的には、ヘッドパイプの高さを下げる(下端 : 706mm→700mm)ことで過敏な挙動フィーリングを抑制し、次に、キャスター/トレール量を25°15’/95mm→24°30'/91mmに、また、ホイールベースを1,380mm→1,365mmに変更し、リーンのし易さと方向転換性を向上させており、高いサイドフォースを得られるラジアルタイヤの特性と相まって感性にフィットする優れた旋回性能を実現しています。
ディメンション比較
ディメンション比較




← 前ページへ--- 目次へ--- 次のページへ →