CBR400RR - 1990.02

CBR400RR
CBR400RR
 
ダイレクト・レスポンス・ハンドリング

 ライダーの操縦意志に対し素直に応答するハンドリングを…。
 たとえば、曲がりたいと思ったときに、思った分だけ曲がってくれるような自然な操縦感覚が、より幅広いライダーに、しかも多様なシチュエーションの中で可能となればモーターサイクルはもっと楽しく感動的にできると考え、完成車重心から遠い部位を軽く、重いものは重心近くに、エンジンを含めたマスの集中化を徹底追求。
 このため、LCGツインチューブ・フレーム、軽量の6本スポーク前・後ホイール、軽量・シンプルなヘッドライトやメーター廻りなどに加え、エンジン自体をも新設計とし、人とマシンの一体感を高め、マシンの挙動に気を取られすぎることなくライダーの「感性」にフィットした強くしなやかな操縦フィーリングを実現しました。

(1) 慣性マスの集中化

エンジン

   シリンダーとアッパーケースを一体化させるとともに、メインシャフトの取り付け位置を変更。クランク、メイン、カウンターの各シャフトを一直線上に配置することによってケースカバーの小型化(高さ方向で-40mm)を実現。クラッチ関係の小型・軽量化(φ145→φ125 : 6枚→7枚)と相まって、全体として軽量・高剛性のコンパクトエンジンに仕上がり、マスの集中化に大きく貢献しています。

アッパーケース比較
アッパーケース比較

新設計、LCGツインチューブフレーム(Low Center of Gravity = 低重心)

   ニューフレームは、軽量・コンパクトなエンジンを抱え込むように、しかも限りなく近づけることでフレーム自体の重心を低く設定し、慣性マスの集中を徹底追求。
 同時に、かたさを必要とする部位は、ボックスセクションとし、しなやかさが必要な部位はオープンチャンネル構造を採用するなどしっかりした剛性感としなやかさの高次元バランスを図り、新設計の足廻りと相まって、広範囲な使用条件に応じられるしなやかで切れのある乗り味を実現するとともに、スポーツライディングに必要不可欠なニーグリップ性をも向上させています。

フレーム
フレーム

3ピース構造のキャステック製ガルアームを新採用

   深い動的バンク角(45°)を確保するとともに、軽量かつ高剛性であり、マフラーを慣性マスの重心寄りにレイアウトできることから3ピース構造のキャステック製ガルアームを新採用しました。

ホイール/タイヤ

   前・後ともに軽量・U字型6本スポークホイールを採用し、バネ下重量を軽減(F : -150g/R : -200g)しました。
 特にリア・ホイールはサイズを17インチ化し、慣性マスの集中と、ホイールのジャイロ効果(回転マス)の軽減を図り、軽快なコーナーリング性能をいっそう向上させています。
 尚、フロントは120/60R17 55H、リアは150/60R17 66Hの優れたグリップ力と、耐摩耗性をバランスさせたラジアルタイヤを装着しています。

ヘッドライト・メーター廻り

   従来は、ヘッドライト側についていた取り付け用のパーツをフレーム側の取り付けステーに組み込むとともに、メーター廻りもシンプルな構造とし、軽量化を図ることによって、慣性マスの集中に貢献しています。
 また、ヘッドライトは、レンズカットを変更し、特にロービーム時の横方向への配光性を向上させ、大型ウインカーライトの採用と相まって被視認性の向上にも配慮した設計としています。

バッテリーの小型化

   始動系の最適組み合せを図り、スターターモータの高出力化によって、バッテリーの小型化(MF8A→MF6A)を可能とし、大幅な軽量化を実現しました。




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