CBR400RR - 1990.02

CBR400RR
CBR400RR
 
リアル・レスポンス・エンジン

(3) フリクションロスの低減
 
 クランクシャフトから歯車の組合せによってカムシャフトを駆動するCBR伝統のカムギアトレーン機構には、メカニカルノイズを低減させる低モジュールギア(1.75mm→1.5mm)を新たに採用し、2本のカムシャフトがダイレクトに16本の細軸バルブ(3.8mm)を開閉させる直押式バルブ駆動機構や、ギア鳴りを抑えるセラシ機構と相まって徹底的なフリクションロスの低減と高回転域においても正確なバルブタイミングを実現し、樹脂製スプロケットカバーの採用と相まって不要なメカニカルノイズをも減少させました。
カムギアトレーン
カムギアトレーン

 また、ピストンは、軽量・高剛性でピストン・ピンの短縮も図れるスリッパータイプを採用して1個あたり5%の軽量化(1個あたり計8g)を実現。フリクションの低減を図ることによってレスポンスの向上や、高回転域でのワイドなパワーバンドの発生に貢献しています。

ピストン
ピストン

 クランクシャフトは、ウエブ形状の最適化をはかるなど、従来と同一重量を保ちながら高剛性化を実現。この結果、トランジェント時のクランクシャフト回転挙動が安定し、フリクション低減が図れ、レスポンス性の向上に寄与しています。

クランクウエブ比較
クランクウエブ比較

ミッション

   ポールプランジャー・タイプ(接点5)からクロウ・タイプ(接点3)のチェンジ機構を新たに採用。パーツ同士の接点を減らすことによって節度のあるタッチを追求し、スポーツライディングにおけるダイレクト感を高めています。また、1次/2次減速比を見直すとともに、6速をハイレシオ化(1.333→1.318)し、よりスムーズなつながり感を得ています。

チェンジ機構
チェンジ機構

(4) 排気系

 連結パイプを配した4-2(#1・4、#2・3)-1、の360゜集合構造のエキゾーストシステムを採用。エキゾーストパイプ径をφ31.8mm→φ35mmへと大径化するとともに、吸気系の変更にあわせ、各部の長さ・形状などベストな吸・排気脈動効果を得る組合せを選定。
 サイレンサーは、アルミニウム・インパクト成形で内周全面をグラスウールで被ったサウンドバイパス構造を熟成し、優れた出力特性を得ながら音圧を低減。しかも直4エンジンならではの軽やかで澄んだサウンドに仕上げました。

マフラー
マフラー




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