ホンダ新世代・超低燃費テクノロジ− - 1999.07

Technology

ホンダ新世界・超低燃費テクノロジー
 
新骨格軽量アルミボディ 概要

35Km/L 軽量で高剛性を実現し、高い安全性を。
アルミの特性を活かし、独自のボディ開発に取り組みました。

●新骨格軽量アルミボディ
新骨格軽量アルミボディ

軽量化、高剛性、安全性の向上を追求した、ホンダの新しいボディづくりです。
ボディの高性能化を進めているホンダでは、スチールボディにおいては、高剛性モノコックボディを常に進化させ、 1998年、ホンダの新・衝突安全技術「Gコントロール技術」を開発し、限られたボディサイズであることから 高い安全性の確保が難しいとされた軽自動車で、世界最高水準の衝突安全性能を実現。 99年にはS2000で、オープンボディでありながら、クローズドボディ同等の剛性確保を達成してきました。 一方アルミボディでは、90年に世界初の量産アルミボディをNSXに採用。早くからアルミの実用化を進め、 素材特性に着目し、研究を重ねてきました。今回、これらの技術をさらに発展させ、 軽量・コンパクトなアルミボディで、高水準な剛性と安全性を確保した新骨格軽量アルミボディを完成。 超低燃費への貢献という新たな価値を加えた高性能ボディを実現しています。

●新骨格軽量アルミボディの特長
新骨格軽量アルミボディの特長
 
●各アルミ材の構成比率(%)
各アルミ材の構成比率(%)
アルミの軽くて加工しやすい特長を、最大限に活用しました
アルミの最大の特長は、軽いこと。鉄の約1/3の比重(単位体積当りの重量)という性質から、ボディの軽量化には より効果的であり低燃費にも大いに貢献します。これに加え、今回特に着目したのが、加工しやすく幅広い成形手法を利用できるというメリットです。アルミ成形材には、押し出し成形材、ダイキャスト成形材、板材があり、 押し出し成形材は、複雑な形状でも容易に連続加工できることから、部材断面を自由に設計でき、それぞれの部材に適した、軽量で剛性の高い骨格をつくることが可能。部品点数の削減も実現しています。また、ダイキャスト成形材は複雑な形状を一体成形できることから、複数の押し出し成形材を少ない部品で強固に接合でき、これをそれぞれの 骨格をつなぐ部材に使用することで、合理的な高剛性ボディとしています。こうしたアルミならではの特性を 最大限に活かすことによって、軽量でありながら優れた剛性と、高水準な安全性の確保を実現しています。

リサイクル性の高さにも着目し、世界初のアップグレードリサイクル技術も開発しました。
アルミは再生するためのエネルギーが非常に小さく、従来からエンジンブロックなどのリサイクル化が 進められています。そして今回、アルミのリサイクル拡大に向けて、使用済みのエンジンブロックなどの ダイキャスト成形材から、より厳しい特性が求められる押し出し成形材へ再生する、世界初のアップグレード リサイクル技術を開発。その再生した部材をボディのステアリングハンガービームに採用しています。




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