FACT BOOK
STREAM
STREAM 2006.7.13
安全性能 | Passive Safety
Gコントロール技術は、第2ステージへ。リアルワールドでのさらなる安全を追求し、「自己保護性能の向上」と「相手車両への攻撃性低減」の両立へと進化した、Honda独自のパッシブセーフティ。
Hondaは、世界初の屋内型全方位衝突実験施設におけるCar to Car(クルマ相互)の衝突実験をはじめとする、リアルワールドでの衝突安全研究をさらに推進し、Gコントロール技術をいっそう向上。これまで取り組んできた衝突時に乗員を守るための自己保護性能をさらに進化させると同時に、衝突する相手車両への攻撃性低減を図る、独自の「コンパティビリティ対応ボディ」を実現しました。 G-CON
G-CON 第1ステージ リアルワールドを見据えた自己保護性能の追求
乗員の「傷害値の低減」と「生存空間の確保」を両立し、全方位からの衝突にも対応した衝突安全性能。
乗員に対する「傷害値の低減」が課題となる前面フルラップ衝突と、「生存空間の確保」が課題となる前面オフセット衝突の双方を高水準でクリアすることをめざし、独自のGコントロール技術で対応。前面フルラップ衝突55km/h、前面オフセット衝突64km/hをクリアする、衝突安全性能を実現しています。また、側面衝突55km/h、後面衝突50km/hにも対応しています。
■「傷害値の低減」と「生存空間の確保」を両立する衝突安全技術
「傷害値の低減」と「生存空間の確保」を両立する衝突安全技術
リアルワールドでの安全を追求し、独自の 目標を設定したクルマ相互の衝突実験を実施。
Hondaはバリア衝突テストにとどまらず、リアルワールドでの衝突安全性能の向上をめざし、事故統計の分析から「相手重量2トンクラスまでの乗用車、双方の衝突速度50km/h、50%前面オフセットの衝突」という独自の研究目標を設定し、クルマ相互の衝突実験を実施。まずは第1ステージとして、乗員保護という視点から衝突安全を追求し、この目標値をクリアしてきました。
■クルマ相互の衝突実験/テストモード
クルマ相互の衝突実験/テストモード
さまざまな相手車両との衝突を想定した研究を重ねてきた結果、第2ステージへと進化した衝突安全技術。
リアルワールドでのクルマ相互の衝突時には、ボディ骨格の違いによる衝撃吸収部材のすれ違いや、重量やボディの硬さの違いによって、どちらか一方の車両が大きなダメージを受けてしまうなど、さまざまな状況が発生します。そこで、これらの違いによるさまざまな相手車両との衝突を想定し、クルマ相互の衝突実験を繰り返し行うことで、大きさや構造、硬さが異なる車両との衝突にも対応する、コンパティビリティ対応技術の研究を続けてきました。そして、こうした取り組みの成果として、自己保護性能の向上のみならず、相手車両への攻撃性低減も視野に入れた、第2ステージへと進化しました。
■クルマ相互の衝突を想定した研究課題
クルマ相互の衝突を想定した研究課題
G-CON 第2ステージ 「自己保護性能のさらなる進化」と「相手車両への攻撃性低減」の両立
クルマとクルマのより安全な共存をめざす、革新のコンパティビリティ対応ボディ。
衝突時に乗員を守るための自己保護性能をいっそう進化させ、同時に衝突する相手車両への攻撃性を低減する。この相反する2つの要素を両立させるためには、エンジンルームにおいて衝突エネルギーをいかに分散させ、衝撃を効率よく吸収させるかが重要です。そこで「相手車両の衝撃吸収部材とのすれ違い防止」「衝突時の衝撃分散化」「高効率なエネルギー吸収」の3つをテーマに、衝突安全性能のさらなる高次元化に取り組んでいます。その結果、ストリームはエンジンルームでの高効率なエネルギー吸収により、衝突実験の目標値をクリア。高水準な自己保護性能を確保するとともに、相手車両への攻撃性も低減したコンパティビリティ対応ボディを実現しています。
■コンパティビリティ対応ボディの設計コンセプト
コンパティビリティ対応ボディの設計コンセプト
すれ違いを防止する衝撃吸収部材と、衝撃を広い面で受け止める骨格による
高効率衝撃吸収構造、コンパティビリティ対応ボディ。
前方向からの衝撃に対し、アッパーフレームやロアメンバーによってエネルギーを分散・吸収し、さらにフロントピラーやフロアに拡散。ロアメンバーが相手車両の衝撃吸収部材とのすれ違いを防ぎ、アッパーフレームとともに衝撃をより広い面で受け止めることで、極めて高効率な衝突エネルギー吸収を実現し、キャビンへの負荷を大幅に低減。自己保護性能を向上するとともに相手車両への攻撃性も低減しています。ストリームは、こうしたコンパティビリティ対応構造に加え、メインフレームをテーラードブランク溶接で結合した厚さの異なる3種類の鋼板で構成したうえで、断面形状を多角形とし、適所に前後方向のビードを入れることで衝撃荷重をコントロール。エンジンやトランスミッションのコンパクト化などと合わせ、エンジンルームでの効率のよい衝撃吸収を実現します。また、ボディ骨格にはハイテン材(高張力鋼板)の採用を拡大するなど、全方位からの衝突に対してエネルギー吸収効率の高い構造を実現しています。
New ストリームのボディ構造
■コンパティビリティ対応ボディ
コンパティビリティ対応ボディ
衝突エネルギー吸収割合の変化イメージ  (自社軽クラスの乗用車との衝突の場合)
頭部や脚部などに対する衝撃吸収構造を採用した、歩行者傷害軽減ボディ。
万一の際、歩行者にダメージを与えやすいボディ前部に衝撃をやわらげる構造を採用。国土交通省「歩行者頭部保護基準」の認可取得にとどまることなく、Hondaは脚部などの傷害軽減にも独自の基準を設けて取り組んでいます。
※ボンネットの衝撃緩和性能規定
歩行者傷害軽減ボディ。
側面衝突時の頭部への衝撃を緩和する、3列に対応したサイドカーテンエアバッグシステムを設定。(全タイプにメーカーオプション)
側面衝突時に子供から大人までさまざまな体格の乗員の頭部や頚部を広範囲で保護し、特にピラーへの頭部衝突を防ぐ展開性能を実現したサイドカーテンエアバッグシステムを設定。3列すべてに対応します。サイドウインドウのほぼ全面に広がる大型エアバッグを瞬時に展開させるために低温ガス(全圧縮ガスタイプ)インフレーターを採用。極めて速い展開速度に加え、バッグの厚さの拡大も可能となり、衝突の衝撃をより効果的に吸収。頭部への傷害を大幅に軽減しています。また、衝撃センサーは各列左右と車体中央に設置し、側面衝突の形態に応じてサイドカーテンエアバッグシステムと運転席用&助手席用のi-サイドエアバッグシステムが最適なタイミングで作動するように制御しています。
運転席用&助手席用のi-サイドエアバッグシステム(助手席乗員姿勢検知機能付)を設定。(全タイプにメーカーオプション)
車両の左右と中央部に側面衝突検知センサーを設置。より的確なタイミングで作動します。また、乗員姿勢検知センサーを助手席に内蔵。体格や姿勢を検知してエアバッグの展開を緻密に制御します。
頭部衝撃保護インテリア
室内のルーフサイドや各ピラー内部を衝撃吸収構造とし、衝突時に乗員の頭部への衝撃を緩和します。
頚部衝撃緩和1列目シート
後方からの衝突時に頭部と体は別々な力を受けてしまうため、頚部への負担が大きくなってしまいます。そこで、衝突時に体を沈み込ませる特性をシートバックに持たせるとともに、ヘッドレストの取り付け位置や角度を最適化。頚部にかかる負担を低減しています。
3点式ロードリミッター付プリテンショナーELRシートベルト(運転席/助手席)を全タイプに標準装備。
前方向からの強い衝撃を感知すると瞬時にシートベルトを巻き取り、その後一定以上の荷重がかかるとシートベルトを少し送りだし、胸などへの負担を軽減します。また、衝突時に乗員の膝部を支持し、前方移動を抑制するニーボルスターを採用。シートベルトと合わせ、優れた乗員拘束性能を発揮します。
■衝突時乗員拘束イメージ
衝突時乗員拘束イメージ

その他、全タイプに備えた充実の安全装備。
運転席用&助手席用SRSエアバッグシステム
2列目シート3点式ELR/ALR(チャイルドシート固定機構)シートベルト(左右席)
3列目シート3点式ELRシートベルト
ISO FIX対応チャイルドシート固定専用バー(2列目左右席)+ テザーアンカー(2列目左右席)
 

前のページへ 目次へ 次のページへ