FCX FACT BOOK
FCX 2004.12
安全性能
水素燃料供給システムおよび高電圧に対する安全対策。
水素および高電圧に対する安全対策を、各所に施しています。
まず、燃料電池システムボックスを床下に、高圧水素タンクをリアシート下に設置し、キャビンと水素・高電圧ラインを完全に隔絶。そのうえで、万一の水素漏れに備え、水素センサーを各所に設置し、燃料電池システムボックス内に水素が漏れた場合には強制換気システムを作動させ、必要に応じて水素タンクの主止弁や遮断弁で供給経路を自動的に遮断するシステムも搭載しています。一方、高電圧ラインは電気的にフルフローティング。地絡時にはセンサーにより警告し、衝突時にはコンタクターによって元電源ラインを遮断します。さらに、浸水テストや火災実験などを繰り返し行うことで、より高い安全性と信頼性を確保しています。
 
浸水テスト
浸水テスト
浸水テスト
水素および高電圧安全対策水素漏れ警告システム
水素充填時の安全対策。
水素充填時の安全対策。 水素充填時の安全対策。
水素充填口は、充填ノズルの接続性がよく、信頼性の高いフィルターも備え、さらに水素シール性に優れた逆止弁一体構造を採用。異種ガスの混入や充填圧の異なる充填ノズルの誤接続を防止する構造となっています。また、充填前に車体の静電気を取り除くグランディングシステムを採用。水素充填口のオープナーはグランディングリッド内にあり、まずグランディングリッドを開けないとオープナーの操作ができないよう、安全設計を施しています。さらに、充填中は走行できない安全システムを採用しています。
※グランディングとはアースを取ることです。
全方位衝突に対応するフレーム構造で、優れた安全性能を獲得しています。
クルマのすべての基本である安全性能については、Hondaがこれまでのクルマづくりで培ってきた高水準の技術を投入するとともに、燃料電池車ならではの性能を追求した専用プラットフォームを採用。前面、後面、側面からの衝撃に対し、乗員保護性能を獲得すると同時に、衝突時の衝撃とボディの変形から燃料電池システムや高圧水素タンクを保護する優れた安全性能を実現しています。
全方位衝突実験 全方位衝突実験 全方位衝突実験
全方位衝突実験 全方位衝突実験 全方位衝突実験
Photo:米国仕様車による衝突実験
高い安全性能を実現したストレートフレーム構造。
■フロントフレーム
  およびフロアフレームストレート構造
フロントフレームおよびフロアフレームストレート構造
フロントフレームからフロアフレームまでを大断面のストレート形状とし、そのうえでサイドシルまでつながったクロスメンバーやアウトリガーを配置しました。フロントフレームには衝撃吸収構造を持たせ、前面衝突時のキャビンへの衝撃を抑制。側面衝突に対してはアウトリガーが衝撃を効果的に吸収し、キャビンや燃料電池システムへの影響を抑えています。
高強度リアアルミサブフレームとリアフレームによる2階建て構造。
■リアフレーム&リアサブフレーム
 2階建て構造
リアフレーム&リアサブフレーム2階建て構造
アルミ押し出し部材を使用した軽量・高剛性のリアサブフレームを、リアフレームと上下で2階建て構造となるように取り付けました。後面からの衝突に対し、まずリアフレームの後端が衝撃を効果的に吸収。さらにサブフレームとリアフレームの2階建て構造によって衝撃を抑え、高圧水素タンクを強固に保護します。



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