FCX FACT BOOK
FCX 2004.12
走行性能
さらに力強く伸びやかになった走り。大幅な燃費の向上で航続走行距離も延長。雪道も考慮したTCSを新開発するなど、一段と進化した走行性能。
Honda FCスタックの優れた発電効率と
燃料電池システムのさらなる高効率化により、駆動エネルギー効率を大幅に向上。
燃費性能も向上し、航続走行距離430kmを達成しました。
Honda FCスタックの優れた発電効率と燃料電池システムのさらなる高効率化により、駆動エネルギー効率を大幅に向上。燃費性能も向上し、航続走行距離430kmを達成しました。
新開発のHonda FCスタックは、走行性能にも大幅な進化をもたらしています。スタックの発電効率の向上や、スタックへの空気供給システムの効率向上、水素循環システムの効率向上によって、駆動エネルギー効率を旧モデルに比べて22%向上。ウルトラキャパシタの減速エネルギー回生やスタックからの電力回収、アイドリング時のオートアイドルストップシステムによるモーターへの出力停止など、電力を効率よく使い燃料消費を抑制する従来からの高効率なエネルギーマネジメントと合わせることで、ガソリン車の約3倍、ハイブリッド車の約2倍の駆動エネルギー効率55%を達成しました。これにより燃費性能も旧モデルに比べて22%向上したことで、航続走行距離を355kmから430kmへと延長しています。(数値はLA-4モード走行におけるHonda測定値)
■駆動エネルギー効率比較 ■駆動エネルギー効率アップの内訳
駆動エネルギー効率比較 駆動エネルギー効率アップの内訳
■燃費性能比較
燃費性能比較 ※LA-4モード走行におけるHonda車での比較
FCスタックの高出力化とウルトラキャパシタのエネルギー容量増大により、トータル出力を大幅に向上。
力強い発進加速性能と、伸びやかな追い越し加速性能を実現しています。
「燃料電池スタック+ウルトラキャパシタ」出力の応答性向上
「燃料電池スタック+ウルトラキャパシタ」出力の応答性向上
世界トップレベルの出力密度を実現したHonda FCスタックと、エネルギー容量の増大によってさらに高出力な電力アシストを行うウルトラキャパシタにより、ドライバーのアクセル操作に対して瞬時にいっそう力強い応答性を発揮するトータル出力を実現。モーター出力を20kW上げたことにより、ガソリン車を凌ぐ素早い発進加速Gの立ち上がりに加え、中高速からの加速でもトルクフルなモーター出力を持続させるため、全域で力強く伸びやかな加速フィールが得られます。
■発進加速G   ■加速性能
発進加速G 加速性能 ※Honda車における比較
■旧モデル:2002年発表のFCX
力強い走りとともに、操作性や操縦安定性にも
優れた扱いやすさを実現しています。
エネルギー効率に優れたパワートレインによるスムーズで力強い走りに加え、シャシーを中心に乗り心地や「走る・曲がる・止まる」といった基本性能を追求。乗り心地や安定性、操作性、快適性など、街中から高速道路まで、運転操作しやすく心地よい走りを実現しています。
●5リンクダブルウイッシュボーン・リアサスペンションを採用 アコードタイプのリアサスペンションを採用。優れた操縦安定性と乗り心地を発揮します。しかも、高圧水素タンクとのサブフレーム一体マウントを可能にし、スペース効率と組み立て性の向上にも貢献しています。
●EPS(電動パワーステアリング)を採用 ラックアシストタイプのEPSを専用設計。低速走行で取り回しのよい自然な操舵フィールと、高速走行でのしっかりした安定感を両立しています。
●電動負圧ポンプ式ブレーキを採用 電動負圧ポンプとマスターパワーによって制動力を適切にアシストします。また、EBD(電子制御制動力配分システム)付ABSを標準装備しました。
●55:45の前後重量バランスを実現 燃料電池システムをはじめ主要コンポーネントの最適な配置によって、FF車として理想的な前後重量配分を実現。安定性の高い走りを生み出しています。
雪道など滑りやすい路面状況でも最適な駆動力を発揮するために、[FCX]専用の
モーター制御TCSを新開発しました。
TCS低μ路性能比較イメージ
氷点下での始動が可能となったことを考慮し、モーター駆動ならではの発進時の力強いトルクをさまざまな路面で最適に活かすために、[FCX]専用のモーター制御TCS(トラクションコントロールシステム)を新たに開発しました。車輪速センサーがホイールスピンを検知し、ECUがモータートルクを瞬時にコントロール。シンプルな構成で機構ロスの少ないモーター一体構造トランスミッションによる優れた応答性が、リニアで素早いモータートルク制御を可能にしました。しかも、車輪速制御の精度が高く、車輪回転速度のゆらぎが少ないとてもスムーズな加速性能を発揮するため、雪道など滑りやすい路面でもタイヤの空転を抑えた高い安心感と、なめらかで心地よい新感覚の走りを実現しています。
駆動力の伝達構造比較
高圧水素タンク
大容量の水素を貯蔵する、350気圧高圧水素タンクを採用。
高圧水素タンク
水素は体積あたりのエネルギー密度が小さいため、実用的な走行距離を確保しながらパッケージングを考慮すると、できるだけ多く、しかもできるだけ小さく貯蔵する必要があります。[FCX]は、アルミライナー、カーボンファイバー、グラスファイバーの3層によって高強度、耐腐食性を合わせ持つ、約350気圧の高圧水素タンクを採用。このタンクを2本搭載することで156.6Lの水素容量を確保し、燃料消費率の向上と合わせて航続走行距離430kmを達成しました。また、充填時間は高圧充填設備使用時で3分程度と、ガソリン車レベルの簡便さを実現しています。※LA-4モード走行におけるHonda測定値
EPA/CARB認可を取得



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