FCX

究極のクリーン性能と力強い走りを実現し、さらにクルマとしての使いやすさを追求した、Honda[FCX]。

新開発「Honda FCスタック」と「ウルトラキャパシタ」を組み合わせ、モーターを駆動。
水素の搭載には「高圧水素タンク車載」方式を採用しています。

水素をエネルギー源に燃料電池スタックによって電気を発生させ、モーターを駆動する燃料電池車。
［FCX］は、発電時・駆動時それぞれのエネルギー効率や、システム全体の重量、パッケージングの効率などを考慮し、「燃料電池スタック＋ウルトラキャパシタ」＆「高圧水素タンク車載」方式を採用しています。発電効率を大幅に向上させた新開発のHonda FCスタックが生み出す電気を主電源に、蓄電性能に優れた独自のウルトラキャパシタが補助電源としてアシストし、モーターを力強く駆動。高出力でハイレスポンスな走りと低燃費を両立した、高効率な走行性能を実現しています。
また、大容量の水素を小さく貯蔵できる高圧水素タンクの採用や燃料電池システムの軽量・コンパクト化、さらにはそれぞれのシステムを専用プラットフォームに最適配置した高効率パッケージングによって、コンパクトなボディとゆとりの空間を実現しています。

パワートレインの主要構成。

●	Honda製燃料電池スタック固体高分子膜型発電装置。軽量・コンパクトなスタックを2基搭載し、86kWの最高出力を発揮します。
●	加湿システム発電時に生成される水を空気加湿に再利用するための生成水回収型（完全独立）加湿システムです。
●	PCU（パワーコントロールユニット）燃料電池スタックからの電力、キャパシタ電力、駆動モーター出力やエアポンプ、冷却ポンプなどを電子制御します。
●	燃料電池冷却システム燃料電池車専用開発の燃料電池システムラジエーター1器（大型）、ドライブトレインラジエーター2器（小型）を搭載。冷却性能を高めています。
●	ドライブトレイン駆動モーター＆トランスミッションおよびドライブシャフトで構成。駆動モーターは、高効率、高出力／高トルク（最高出力80kW／最大トルク　272N・m）を発揮します。
●	Honda製ウルトラキャパシタ発進・加速時に瞬時に高出力アシストを行うとともに、減速時には効果的にエネルギーを回収。ハイレスポンスと高効率化を両立しています。
●	高圧水素供給システム 2本のタンクを搭載。156.6Lの容積に約350気圧の水素を充填することが可能です。
●	空気供給系システム高電圧電源モーター駆動のエアポンプにより、空気を適切な圧力と流量で燃料電池スタックに供給します。

■パワートレイン構造説明用モデル

燃料電池システムを小型化して床下に、高圧水素タンクをリアシート下に
集中配置。空間の広さや衝突安全性能を確保しながら、運転しやすい
コンパクトなボディサイズとしています。

［FCX］は、ボディサイズや空間の広さ、衝突安全性能など乗用車としての使いやすさや基本性能を高次元で備えるために、プラットフォームを専用開発しています。燃料電池システムのレイアウトの自由度を活かしながら高圧水素タンクをリアシート下に設置し、燃料電池システムは軽量・コンパクト化したうえで床下に集中配置することで、広い空間を確保しながら優れた衝突安全性能を実現。ウルトラキャパシタはリアシート背後に斜めにレイアウトし、ラゲッジスペースも確保。さらにスペース効率と走行性能に優れたリアサスペンションを採用しています。こうした工夫に加え、PCUやトランスミッションのコンパクト設計などによって運転しやすいコンパクトなボディサイズとするなど、実用的で使いやすい高効率なパッケージングを実現しています。

■動力作動イメージ

●発進・加速時
（燃料電池スタック+ウルトラキャパシタからの出力）
燃料電池スタックをウルトラキャパシタがアシストし、レスポンスのよいキビキビした走りを実現。

●緩加速・クルーズ時
（燃料電池スタックから出力）
燃料電池スタックがモーターへの電力供給を主に受け持つため、アシストを必要としない低燃費な高速巡航が可能。

●減速時
（ウルトラキャパシタへの出力回生）
減速エネルギーをウルトラキャパシタが回生し、燃料電池スタックからの電力も蓄電。燃費の向上を実現し、自然な減速フィールも獲得。

●停止時（アイドルストップ）
オートアイドルストップシステムによって、燃料電池スタックの出力を停止し、燃料消費を抑制。エアコンなどに必要な電気はウルトラキャパシタが供給。発進時は即座に電力供給を行い、スムーズで力強く発進。（条件によっては出力を停止させない場合があります）