FCX FACT BOOK
FCX 2002.12.2


各所に施した、水素および高電圧安全対策。
[FCX]は、燃料電池システムボックスを床下に、高圧水素タンクをリアシート下に設置し、キャビンと水素・高電圧ラインを完全に隔絶するパッケージレイアウトとしています。また、万一の水素漏れに備え、水素センサーを各所に設置し、燃料電池システムボックス内に水素が漏れた場合には強制換気システムを作動させ、必要に応じて水素タンクの主止弁や供給経路の適所に配置した遮断弁などを自動的に遮断するシステムも搭載しています。一方、高電圧ラインは電気的にフルフローティング。地絡時にはセンサーにより警告し、衝突時にはコンタクターによって元電源ラインを遮断します。さらに、浸水テストやタンクの火災実験などを繰り返し行うことで、より高い安全性と信頼性を確保しています。
■浸水テスト
[水素漏れ警告システム]
水素センサーが一定量以上の水素漏れを感知した場合、メーターパネル内の警告灯を点灯。さらに、必要時には燃料ラインを自動的に遮断します。
水素充填時の安全対策。
充填口は、充填ノズルの接続性がよく、信頼性の高いフィルターも備え、さらに水素シール性に優れた逆止弁一体構造を採用。
異種ガスの混入や充填圧の異なる充填ノズルの誤接続を防止する構造となっています。
. 充填前に車体の静電気を取り除くグランディングシステムを採用。
水素充填口のオープナーはグランディングリッド内にあり、まずグランディングリッドを開けないとオープナーの操作ができないよう、安全設計を施しています。
グランディングとはアースを取ることです
全方位衝突に対応するフレーム構造。
衝突安全性能については、Hondaがこれまでのクルマづくりで培ってきた高水準の技術を投入するとともに、 燃料電池車ならではの性能を追求。前面、後面、側面それぞれの衝撃に対し、乗員保護性能を獲得すると同時に、衝突時の衝撃と ボディの変形から燃料電池システムや高圧水素タンクを保護する優れた安全性能を実現しています。
燃料電池システムの最適な配置と
高い安全性能を実現した、ストレートフレーム。
フロントフレームからフロアフレームまでを大断面のストレート形状とし、そのうえでサイドシルまでつながったクロスメンバーやアウトリガーを配置しました。フロントフレームには衝撃吸収構造を持たせ、前面衝突時のキャビンへの衝撃を抑制。側面衝突に対してはアウトリガーが衝撃を効果的に吸収し、キャビンや燃料電池システムへの影響を抑えています。
高圧水素タンクを保護する、高強度リアアルミ
サブフレームとリアフレームによる2階建て構造。
アルミ押し出し部材を使用した軽量・高剛性のリアサブフレームを、リアフレームと上下で2階建て構造となるように取り付けました。後面からの衝突に対し、まずリアフレームの後端が衝撃を効果的に吸収。さらにサブフレームとリアフレームの2階建て構造によって衝撃を抑え、高圧水素タンクを強固に保護します。



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