FCX FACT BOOK
FCX 2002.12.2


エネルギー損失低減技術と熱マネジメント設計により、
広範囲での高効率化と出力範囲の拡大を実現。
駆動用モーターにおいては、これまでHondaが培ってきた電気自動車EV-Plusの高性能技術をベースに、さらなる進化・熟成を重ね、[FCX]に搭載しました。
まず、リラクタンストルク併用低損失磁気回路と、全域フルデジタルベクトル制御の適用により、広範囲での高効率確保と、出力範囲の拡大を実現。さらに、高回転域の出力範囲を拡大するために、ローター発熱を抑制しています。
■駆動用モーター性能比較
リラクタンストルク併用によるローター磁束変化の増大に対し、磁石分割採用によって渦電流の発生を大幅に抑制し、さらに新開発高耐熱磁石の採用と高出力に適した磁路構成によって高い減磁抑制効果を実現しました。その結果、高回転での高出力範囲を拡大し、最高出力での連続定格出力を獲得しています。
静粛性に優れた燃料電池車をさらに快適にする、パワートレインの騒音対策。
電気によるモーター駆動で走行する燃料電池車は、ガソリン車のエンジンのような振動や排気音がなく、静粛性に優れています。[FCX]はこれに加え、吸気音やエアポンプの振動・騒音をさらに抑えるなど、より静かで快適な走りを実現しています。

[パワートレイン騒音対策]
消音レゾネーターチャンバー一体吸気モジュール
コンパクトにモジュール化したレゾネーターチャンバーにより、広い周波数帯で吸気放射音を低減。
ダブルフローティングマウント
サブフレームにラバーマウントしたモーター&トランスミッションに、エアポンプとエアポンプモーターをさらにラバーマウントで取り付けることでエアポンプの回転振動を2段階に減衰させ、ボディへの振動伝達を低減。
軽量・コンパクト化を実現した、モーターと一体構造のトランスミッション。
モーターの出力特性を最大限に活かすために、1速固定減速比を採用。
メイン(プライマリー)→カウンター(セカンダリー)→ファイナルの2回の減速でデフに伝達するシンプルで高効率なトランスミッションとしています。さらに、高回転・高出力化および軽量・コンパクト化を追求。[FCX]ならではのスムーズで力強い走りを獲得するとともに、パッケージングにおけるメリットとして大型ラジエーターの設置を可能とし、冷却性能の向上にも貢献しています。
[EV-Plusからの主な向上点]
モーター/デフ軸間距離短縮(208mm→175mm)
前後長短縮(353mm→301mm)
モーター出力向上(49kW→60kW)
高回転対応(最高回転数8,750rpm→11,000rpm)
■トランスミッション寸法比較(単位:mm) ■モーター&トランスミッション
 およびラジエーター配置図
(数値はHonda測定値)



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