FCX FACT BOOK
FCX 2002.12.2


よりパワフルに駆動力をアシストし、減速エネルギーを効率よく回生。
[FCX]には、燃料電池スタックからの電気を主電源に、走行状況に応じてより力強い走りを可能にするための補助電源として、Hondaが独自に新開発した高性能ウルトラキャパシタ(電気二重層コンデンサー)を採用しています。高出力でハイレスポンスを生む蓄電性能を実現し、高い信頼性も確保しました。ウルトラキャパシタは発進・加速時など、より大きなパワーを必要とする時には駆動力を力強くアシストし、ブレーキ時などには減速エネルギーを回生し、次のアシストに備えます。また、ウルトラキャパシタはバッテリーに比べて内部抵抗が低く、しかも燃料電池スタックの電圧変動に対応して充放電を行うことからバッテリー方式のような電圧調整のためのコンバーターが不要となり、より高出力を獲得。動力性能の向上とシステムの高効率化を実現しています。
蓄電容量を向上するために「新規高性能活性炭電極」を採用し、「電極倦回素子構造」によってセルケースへの電極充填を高密度化しました。これにより、ニッケル水素バッテリーと比較して、エネルギー効率で7〜10%優れ、しかも出力が大きいほど差が拡大。3.9Wh/kg(2.7〜1.35V放電時)のエネルギー密度と、1500W/kg以上の出力密度を実現。キャパシタにおいては世界トップクラスの充放電特性を確保しています。
(数値はHonda測定値)
ハイレスポンスで力強い走りと、優れた燃料消費率を実現した、
「燃料電池スタック+ウルトラキャパシタ」の走行性能。
燃料電池スタックからの電力を主動力源に、発進時や加速時など大きな力を必要とする際にはウルトラキャパシタからの電力がパワフルに アシスト。低・中速域においては、ガソリン車を上回るほどの、力強くトルクフルでしかもスムーズな加速が得られます。
また、減速時はエネルギーを回生してウルトラキャパシタに蓄電。この時、燃料電池スタックからの電力も蓄えられます。さらに、 アイドリング時にはオートアイドルストップシステムによってモーターへの出力を停止し、燃料消費を抑えます。
こうしたエネルギーマネジメントをPCU(パワーコントロールユニット)が最適制御することで、電力を効率よく使い、なおかつ無駄なく回収します。 その結果、ガソリン車の約2倍、ハイブリッド車の約1.5倍の駆動力エネルギー効率45%を実現。
燃料消費率でもハイブリッド車を上回る性能を獲得するなど、実用性に優れた走行性能を発揮します。
(数値はHonda測定値)
■「燃料電池スタック+ウルトラキャパシタ」出力特性
■駆動力エネルギー効率比較 ■燃費性能比較
ドライバーのアクセル操作に対して駆動モーターが瞬時に応答し、「燃料電池スタック+ウルトラキャパシタ」による力強い出力を発揮するため、ガソリン車やハイブリッド車、電気自動車に比べて発進加速Gの立ち上がりが素早く、トルクフルな走り出しを実現。高性能ミドルサイズのガソリン車に匹敵する出足のよさを獲得しています。
■発進加速G ■発進加速3秒後到達距離=出足の良さ
※ Honda車における比較



前ページ前ページ前ページ目次次ページ次ページ次ページ