today - 1993.01

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こうしてNewトぅディは生まれました


クルマが持つ『快適な機能』のあり方
———走りと装備と使い勝手———

「快適さ」ということばにはさまざまな意味あいがあります。
たとえばそれは「乗りごこち」や「あつかいやすさ」「デザイン」です。さらには「ここちよい走り」や「安心感」があると思います。そのいくつかはすでに紹介いたしましたが、ここでは「快適さを生みだす機能」という面からとらえて、おもにクルマの基本となるハードウェアがつくりだす「快適さ」について紹介いたします。

(1)個性を生かしながら、ここちよい走りを追求しました
軽自動車は、いたずらに「速さ」や「パワーの大きさ」を競う必要のないクルマであると考えます。ですから、Newトゥデイでは、
 「暮らしの中で、使う人の身近で活躍するためにはどのような走りがふさわしいのか」
そして、
 「使われ方にふさわしい走りのためには、何をすればいいのか」
という、クルマとしてのあり方から考えた走りの機能にとりくみました。

005-003 エンジン関係でのとりくみ
Newトゥデイにはほとんど新設計といっていい3気筒12バルブエンジンを搭載しました。その基本的な考え方は「あつかいやすく、頼れるエンジン」というものです。
まず、全車にPGM-FIを採用しました。コンピュータのコントロールによって、信頼性が高まり、燃費がよくなり、トルクも向上しています。さらにバルブ径アップ、吸入排気タイミングやカムプロフィールの最適化などのこまかい見つめ直しによって、静かで力強いエンジンになっています。
燃費面では、ギヤレシオの最適化などクルマ全体での効率アップを含めて、

Miの5MTで22.5km/L
3ATで18.4km/L
ポシェットの5MTで22.0km/L
3ATで18.0km/L
という、低燃費を実現しています(いずれも10・15モード)。
また、ビートに搭載されたMTREC仕様をベースとして、Newトゥデイでは吸入排気タイミングの最適化などによって低中速重視の味つけをし、あつかいやすさを向上したエンジンも用意しました。レスポンスよく反応する軽快さは「スポーティな走りも楽しみたい」というユーザーの声にこたえるものです。

PGM-FI
PGM-FI
PROGRAMMED FUEL INJECTION の略。ホンダ独自の電子制御燃料噴射システム。コンピュータが、各種センサーからの情報で走行状態をつかみ、それに応じて燃料噴射量をきめこまかくコントロールする。低燃費とハイパワーを生みだし、信頼性の高いエンジンを実現する。



005-004 足まわりでのとりくみ
乗用専用の発想によって、リアサスペンションのすえつけスペース、とりつけ位置の関係に余裕が生まれました。この有利さを最大に生かして、サスペンションの性能を大きく高めることができました。

サスペンションのダンパー軸を適正に配置することで、フリクションを低減し、低バネ化とあわせて乗りごこちが一層よくなりました(2WD)。また、ダンパー特性と、バンプストッパーラバー特性を改善、大きな段差での突き上げ感をソフトにしました。さらにトレーリングアームを長くストレートに配置することで、拳動をおだやかにしました。
MTREC
MTREC
MULTI THROTTLE RESPONSIVE ENGINE CONTROL SYSTEM の略。F-Iから生まれた技術。全気筒を単一スロットルで制御するのに対して、1気筒ごとにスロットルを設けた多連スロットルと2つの燃料噴射制御マップ切り換え方式によって、各気筒ごとに吸気と燃料噴射を制御するシステム。タイムラグのすくない俊敏な応答性能をハイパワーで実現する。


005-005 ボディでのとりくみ
クルマ全体の重量増をおさえて、きびきびした走りを実現するために、ボディの機能を高めました。

まず、つちかわれた技術力とコンピュータ解析とによるボディ設計、そしてセミノッチデザインなどによってボディ剛性が従来モデルの約1.3倍に向上しました。このため走行時の乗りごこちとあつかいやすさが向上し、よりきびきびした走りが可能になりました。
ボディ剛性の向上はきしみ音を減らし、また遮音性能をも高めています。もちろんこれは、シリンダーブロックやクランクシャフト改良などによるエンジンの静かさ向上をはじめ、エンジンマウント位置の変更、ステアリングコラムの剛性アップ、タイヤやサスペンション改良など、全体の遮音設計の効果があいまってもたらされる、総合的な静粛性へとつながっています。
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(2)ほんとうに「使える」質の高い快適装備です
エアコンディショナーは、なかば必需品となっていることを考え、2WDには全車に標準装備しました。またオプションとして設定したオートエアコンは8ビットマイコン制御のオートエアコンディショナーです。こまかい温度設定ができ、ふきだしモードも設定された、小型車なみの多機能型です。

女性ユーザーが多い軽自動車にとって、パワーステアリングはとくに必要度が高いと考え、ほとんどのグレードに標準で用意しました。Newトゥデイでは操舵フィーリングのよい全油圧式を採用。軽自動車専用のパワーステアリング・ポンプを採用することで、エンジンパワーのロスも低くおさえました。
オーディオシステムはNewトゥデイ専用設計。スピーカーは16cmで20W×2のハイパワー。バス・トレブル独立式の音質調整などを盛りこみました。TMS(頭出し)機能つきのカセット、CD・イコライザ対応端子など広がりある機能も充実し、あつかいやすいシンプルな設計としました。

このほかにも、解放感を高めるアウタースライド・サンルーフをメーカーオプションとし、またほとんどのグレードにパワーウィンドウを標準装備するなど、Newトゥデイでは充実した快適装備をそろえています。
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(3)使い勝手のよさも、大切な機能と考えました
身近な暮らしのパートナーとして活躍するマイ・パートナー・ミニには、使い勝手のよさは欠かせない大切な機能だと思います。Newトゥデイではこの「使い勝手」を軽自動車の本質である機能のひとつとしてとらえ、さまざまな面でよりすぐれたものにするくふうを盛りこみました。

たとえばそのひとつは、Newトゥデイの大きな特徴になっているトランクにあります。軽自動車のおもな積み荷である日常の手荷物が、充分おさまるスペースを確保。また私たちの調査で「大きい荷物」としてあがった旅行バッグやベビーカーなども搭載可能です。トランクスルータイプのリアシートを倒せば、さらに大きな荷物スペースを生みだすことができます。

このようなサイズの設定だけでなく、こまかい気くばりもほどこしました。まず、トランクリッドを下にひらくタイプにして、積みおろしをしやすくしています。リッドも片手で簡単に開け閉めできるように、小さく軽く設計しました。
また、トランクレバーをトランクガーニッシュの中に設置した、二重開閉システムを採用。坂道など、トランクリッドに荷物がよりかかっている状態で室内レバーを操作しても、積み荷がころがり出ることがありません。
「フローティングパッド・インテリア」にも使い勝手のためのくふうがあります。ティッシュ箱もまるごとはいる大型のグローブボックスや、その下に配置されたアンダートレイがそれです。

このような使い勝手の機能への気くばりは、Newトゥデイの基本的な考え方をはっきりとあらわしている、ひとつの例であるといえます。
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