ORTHIA - 1996.02

ORTHIA
ORTHIA
 

爽快パフォーマンス




「安心感」「快適性」「気持ちよさ、使いやすさ」をテーマに、高いシャシー性能をめざしました。
ワゴンに求められるしっかりした安心感と、気持ちのよいシャシー性能を高いレベルで実現させることをめざしました。そして、定評ある4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンションの専用チューニングをはじめ、以下の手法により具体化しました。


安 心 感

(1)確かな安定感あるサスペンション
多くの荷物を積載したさいも充分なスタビリティを確保するため、高剛性クロスビーム付リアサスペンションとしています。
旋回ブレーキング時に発生するオーバーステアを防ぎ、弱アンダーの姿勢を保つ、L型ロアアームをフロントに採用しています。
左右で路面のμがちがうスプリットμ路でのブレーキングを安定させるネガティブオフセットとしています。
リアサスペンションのロアアームを車軸後方に傾斜配置し、サイドフォース/ブレーキング時にも安定感のあるトーインに設定しています。
直進時はもちろん、コーナリング時の安定性も高めるフロント・リア1,475mmのクラス最大級のワイドトレッドを確保しました。*数値は2WD。4WDリアは1,455mmとなります。
4WDのリアアクスルには、剛性の高いユニットベアリングを採用しています。
(2)ブレーキフィーリングの向上
フロントには14インチのベンチレーテッド・ディスクブレーキを、リアにはφ200の大径ドラムブレーキを採用しています。
マスターシリンダーのピストンと油路の隙間をつめ、さらに7+8インチのタンデムマスターパワーおよび高剛性キャリパーを用いることで、剛性感の高いブレーキを実現しています。


快 適 性

(1)低ロードノイズ
ロードノイズの伝達に関連するサスペンション・ブッシュ類に低動倍ラバーを採用し、操縦安定性とロードノイズの低減を両立しています。
(2)排気音の低減
4WDの限られたスペースにも対応する大容量のサイレンサーを採用しています。
(3)ステアリング振動の低減
ステアリングシャフトを軽量で高剛性の中空シャフトとし、ステアリング振動を抑えています。


気持ちよさ、扱いやすさ

(1)心地よいアクセルワークの実現
アクセルペダルのストローク、荷重、軌跡を最適に設定しました。
(2)リニアで軽快なハンドリング特性
パワーステアリングのギアボックスの油路構造を新設計するとともに、ベーンポンプを採用し、すぐれた操舵力特性を具体化しています。
ピロボール化した高効率スタビリンクにより、ロール初期からスタビライザーの効果が働き、リニアなハンドリング応答性を実現しています。
(3)乗り心地の向上
ホンダ独自のプログレッシブバルブを採用したダンパーにより、路面状況に合わせた減衰特性を可能にしています。
(4)快適なドライビングポジションの設定
ステアリングコラムのレイアウトを最適化するとともに、チルト量を大きく設定しています。


フロント・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
フロント・ダブルウイッシュボーン・サスペンション

リア・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
リア・ダブルウイッシュボーン・サスペンション
  4Wheel Double Wishbone
Suspension
 
イラストは2.0GX-S

高剛性モノコックボディ構造説明用モデル

写真は高剛性モノコックボディ構造説明用モデル



爽快な走りの基本は、剛性の高いボディにあります。
いうまでもなく、スポーティな走りには、それを支えるしっかりとしたボディ剛性が不可欠です。ワゴンの場合は、とりわけ大きな開口部と高剛性を両立する必要があります。そのため、サスペンション取り付け部とテールゲート開口部を中心に剛性を高めました。とくに、テールゲート開口部まわりには、リアパネルサイドスティフナーやリアダンパースティフナー、リアピラースティフナーを追加するなど、さまざまな補強を加えることで、曲げ、ねじりとも、他車を圧倒する剛性を獲得しています。また万一の衝突時に備え、衝突エネルギーの吸収と乗員保護性能を具体化するため、フロントサイドフレーム、インサイドルーフレール、インサイドシルなどの基本骨格部材の板厚や構造の最適化を図りました。そして衝突実験を繰り返すことにより、高効率クラッシャブルボディ構造を実現。さらに高強度ドアビームを採用するなど、側面衝突への対応を高めています。


さまざまな対策を施し、静粛性にすぐれたワゴン・ボディをつくりあげました。
ボディ開発のもうひとつのテーマとなったのが、騒音・振動を低減し、静粛性を向上させることでした。そのため、さまざまな角度から騒音・振動対策を施し、静粛性にすぐれたワゴン・ボディをつくりあげたのです。具体的には、エンジン透過音を抑えるため、ダッシュボード下部をサンドイッチ構造とし、内部には制振材を挿入。加えて、高遮音性能をもつインシュレーターを採用しました。しかもフロントピラーのインナーには、吸音性の高いウレタンブロックを用いています。また、ロードノイズ対策としては、高効率の制振材をフロアの広範囲で使用し、リアインナーにはウレタンブロックを追加しています。さらに、大型ボックス断面化したピラー結合タイプのステアリングハンガーを採用しアイドリング振動をセダン同等レベルまで低減しました。そのほか、ドアミラーベースの表面シールの大型化やセンターピラー・シールの中空化によりウインドノイズを低くし、バルクヘッドフレームとホイールハウスメンバーの結合力を高めることで、こもり音の低減も図っています。



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