ORTHIA - 1996.02

ORTHIA
ORTHIA
 

爽快パフォーマンス



爽快パフォーマンス  ワゴンとして求められるスポーツ性能を徹底的に磨きました。
爽快パフォーマンス


どんなフィールドにおいても、あくまで軽快であること。
そのため、オンロードにおける高いパフォーマンスを身につけたうえで、
4WDをはじめアウトドアシーンにフィットする機動力をめざしました。
高い技術をベースに磨きあげられた
ホンダならではのワゴンのあたらしい走りがここにあります。


クラストップレベルのパワーと低燃費を両立する軽量・コンパクトなエンジンを新設計しました。
市街地走行からアウトドアシーンまでストレスなく軽快に駆け抜けるために、充分なパワーと扱いやすさを求め、2.0LDOHC16バルブエンジンを新設計しました。これは、シリンダーブロックを大型化することなくボア径の拡大を可能にしたホンダ独創の4連スリーブブロックを用い、2.0Lの排気量を1.6Lサイズで実現した、軽量・コンパクトな高性能エンジンです。そのポテンシャルは、最高出力145PS/6,200rpm、最大トルク18.2kgm/5,200rpmというクラストップレベルのもので、高回転域までスムーズに力強く伸びる、爽快な走りを生み出します。しかも、高い動力性能だけでなく軽量・コンパクト化により経済性にもすぐれ、4WD・4速AT車で10・15モード11.8km/Lと燃費においても他車を大きくしのぐ、このクラストップの値を達成しています。また、1.8LのGXには、専用チューニングを施した1.8LDOHC16バルブエンジンを搭載。2.0Lに迫る最高出力140PS/6,300rpmのパワーと、最大トルク17.4kgm/5,200rpmのゆたかなトルク、10・15モード12.8km/l(4速AT車)14.2km/L(5速MT車)の低燃費の両立を果たしています。


エンジン透視図
2.0LDOHC16バルブ
エンジン透視図

2.0Lの排気量を1.6Lサイズで実現したカギは、4連スリーブブロックにあります。
 

鋳鉄製スリーブを4連一体構造とし、軽量・高剛性のアルミダイキャストのシリンダーブロックに鋳込むことで、スリーブ間のアルミニウム部分をなくしました。これにより、軸間距離を従来構造の9mmから6mmにすることが可能となり、3mmのボアアップでボア径φ84を実現しています。


スリーブ比較図
4連スリーブブロック カットモデル
4連スリーブブロック カットモデル

エンジン諸元表

2.0L DOHC 16-VALVE+PGM-FI
(2.0GX、2.0GX-Sに搭載)
1.8L DOHC 16-VALVE+PGM-FI
(GXに搭載)
エンジン型式 B20B エンジン型式 B18B
総排気量 1,972cm3 総排気量 1,834cm3
最高出力* 145PS/6,200rpm 最高出力* 140PS/6,300rpm
最大トルク* 18.2kgm/5,200rpm 最大トルク* 17.4kgm/5,200rpm
10・15モード走行燃料消費率 11.8km/L
(4WD・4速AT車、車両重量1,270kg以上の場合11.2km/Lとなります。)
10・15モード走行燃料消費率 12.8km/L
(FF・4速AT車)
14.2km/L
(FF・5速MT車)
*は「ネット」値です。「ネット」とはエンジンを車両に搭載した状態とほぼ同条件で測定したものです

エンジンマウントの工夫で静粛性をさらに高めました。
 

エンジンマウントのレイアウトは、アイドリング時の振動の減衰に最適な慣性主軸マウントとしました。ボディへのエンジン振動の入力をフロントはスパンの広い左右2点のストッパーで規制し、リアは剛性の高いビーム上にマウント点を設けて、効率よく減衰できるように配置しています。また、サイドマウントには高性能液封マウントを採用。振動やノイズの伝達を大幅に低減しています。さらに、エンジン側、トランスミッション側、それぞれのサイドマウントをボディに直接取り付け、ブラケットの剛性を高めるなど、エンジンマウントとして遮断・減衰性の高い構造とすることで振動の伝達を抑えています。


すぐれたドライバビリティは、先進のトランスミッションが引き出します。
トランスミッションには、ローホールド機構付7ポジション電子制御4速オートマチックを搭載し、ホンダ独創の知能的な変速スケジューリングシステム、PROSMATEC(TypeII)を組み合わせました。これは、D4レンジでの走行において、スロットル開度やエンジン回転数、車速などからコンピュータが走行状況を判断。ファジー理論を応用して最適なシフト制御を行なうものです。これにより、つねにスムーズな走行が可能となり、ドライバビリティを向上します。
変速パターン
市街地走行
ブレーキ操作による減速時には、早めに4速から3速へシフトダウン。加減速の頻繁なコーナーや市街地での軽快な走行を可能にします。
 
登坂走行
ファジー制御により、勾配や車速に応じて3速、4速へのシフトアップポイントを高車速側へ連続的に変化させ、その時点の最適シフトスケジュールを選択。頻繁な変速を防ぎ、ダイレクトでスムーズな走行をもたらします。
 
降坂走行
急な降坂で強いブレーキングを行なったさいは2速まで、また弱いブレーキング時には3速までシフトダウンさせるなど、状況に応じ安心感のある走行を実現します。


全体で43kgという2Lワゴン最軽量の4WDシステムを開発しました。
ワゴンの行動半径を広げ充分な走破性を獲得するため、2.0GX、2.0GX-Sに4WD仕様を設定しました。そのさい、定評あるホンダ独自のデュアルポンプシステムをさらに進化させ、軽量・コンパクト化と走破性の向上を図りました。具体的には、デュアルポンプシステムの油路を最適化し、4WDの応答性を高め、同時にクラッチ部分の潤滑を適正なものとすることで信頼性を向上。加えて、デュアルポンプシステムと組み合わせるトランスファー部分をカセット式とし、リアデフ同様に大幅に軽量化。システム全体で43kgというクラス最軽量を達成しました。これらFFの軽快さと4WDの力強さの両立をさらにすすめたことにより、アウトドアシーンではたくましい走破性を、市街地では4WDを感じさせない爽快な走りと低燃費を実現します。



デュアルポンプシステムの作動原理
前後輪それぞれの回転に応じて作動する2つのオイルポンプをもち、回転速度差により発生する油圧によって多板クラッチを制御して、最適なトルクを後輪に伝達する、先進のリアルタイム4WDシステムです。

●通常走行時
前輪と後輪の回転数が同じであるため、2つのポンプ間に油圧は発生しません。フロントポンプから吐出したオイルは、そのままリアポンプが吸収。多板クラッチは作動せず、ほぼFFの状態での走行となります。
●発進・加速時
前輪の回転数が後輪の回転数を上まわった場合は、フロントポンプとリアポンプ間に油圧が発生。この油圧が多板クラッチを押しつけ、回転数に応じた駆動力を瞬時に後輪へ伝達します。

REALTIME 4WD

ディアルポンプシステム作動イメージ図




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