ロードコンディション・アダプタビリティ(環境適合性)を向上させる上で、路面と接するタイヤは重要な役割を果たします。
「高性能と快適性の高レベルでの融合」という目的を、独自のアプローチで実現するNSXは、タイヤにも究極のパフォーマンスを求め開発を行ってきました。その開発の一つのアプローチとして本年、「高いドライ性能と優れたウエット性能を両立」するNSX専用の新タイヤ、ツイントレッド[ポテンザTT-01]を長い基礎研究を経て実現させました。
TT-01は、幅狭タイヤの優れたウエット走破性のメリットを導入すべく、左右にトレッド面を分割した構造をもっています。その構造により、ウエット走行時に高い安心感と安定性を実現するものです。さらに独自のベルト構造により、ドライ走行時でも標準タイヤに近い運動性能を実現。集中的な雨により発生するヘビーウエットの状態に適合しながら、よりフレキシビリティに富んだ高い性能を発揮します。
このタイヤは、そもそも高旋回Gを実現する高性能タイヤの研究の中から生まれました。高旋回Gを得るには、タイヤ幅が広がる方向へと向かいます。そのとき、優れたウエット走破性を確保するアイディアとしてこのツイントレッド形状が発案されたのです。
NSXでは、この新たな価値を創造したツイントレッドタイヤ[ポテンザTT-01]を、カスタムオーダープランによるオプションタイヤとして設定しました。
サイズ:フロント215/45ZR16、リア245/40ZR17
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TT-01のキーテクノロジーは、中央を湾曲させたコンケーブベルト構造にあります。この構造により、左右のトレッドに十分な高さを与えることが可能となりました。また、しっかりと固められたベルトが横方向の入力を強固に受けとめ、大幅に剛性を高めたビード部が十分な縦バネ強さも確保。優れた運動性能を実現します。さらに、標準タイヤに近い接地面積を確保したトレッド面は、ツイン形状によりウエット性能が確保されているためスリックライクなパタンの採用が可能となり、ドライでの高いグリップ力が実現されました。
これらの技術により、摩耗後期においても優れた排水性が確保され、標準タイヤに近いドライ運動性能を実現しました。なお、ドライ性能の最終的な絞り込みは、ドイツ・ニュルブルクリンクにおける徹底的な走り込みによって行われました。
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