NSX - 1990.09

NSX

NSX
 
INTERIOR


前進キャノピー・デザインがもたらした、
水平方向311.8°の全方位視界と、広角視界。
高い走行性能だからこそ、より高い安全性追求のために、視界にも徹底してこだわりました。
キャビンのキャノピーデザインに加え、これまでM・R方式ではギセイにされがちだった斜め後方の視界も、曲面リアウインドウガラスと細いリアピラーにより死角を極小化。311.8°(水平方向)の全方位視界を実現しています。
またコンパクト偏平ノーズにより、低いドライビング・ポジションでありながら、フロント下方の死角がきわめて少ない、優れた前方視界を確保。しかも、大きくスラントした大型ラウンド・フロントウインドウと、全面ガラスのリアハッチが、前後とも上下に広がった広角視界をもたらすなど、スーパービジビリティを実現しています。

水平方向311.8°の全方位視界と、広角視界

曇りのない良好な後方視界をもたらし、
エンジン音及び熱を遮断する、二重式パーティションガラス。
居住空間とリアガラスハッチとの間に、二重式パーティションガラスを採用しました。従来の1枚ガラスでは、温度差や湿度差による曇りの発生や、エンジン音や熱の侵入など、充分な快適性が得られませんでした。そのため、二重式でガラスとガラスとの間にドライエアを封入したパーティションガラスによって、これを解決しています。

高い運動性能を存分に楽しめる、
人間優先のドライビング・ポジション。
高性能な走りを存分に体感できる低いヒップポイントと、全周囲にわたる広角視界を実現。そのうえで、一般にコクピットがフロント寄りとなるM・R方式の場合、フロントタイヤのホイールハウスを避けるため、ペダルを車両の中央寄りにオフセットする必要がありますが、人間優先を基本思想とするNSXでは、足をまっすぐ自然に伸ばしたところに各ペダルを配置するために、フロントタイヤの前方への移動と小径化を図りました。低いヒップポイントとともに、理想的なドライビング・ポジションとペダル配置を実現しています。
さらにはホールド性を高めたシート形状など、安全性、快適性を重視した設計を行ないました。

自然な姿勢での操作を可能にした、
チルト&テレスコピック・ステアリング。
ドライビング・ポジションは、ドライバーの好みの問題があり、人間工学的に最適と考えられる位置が、必ずしも最適であるとはいえません。さまざまな体型のドライバーがスムーズにステアリングを操作できるよう、人間工学的に最適と考えられる位置を基準に、ステアリング位置の微調整が行なえるチルト&テレスコピック・ステアリングを採用。シートスライド量の長い電動シートと組み合せることで、大柄の人でもらくに座れフィーリングの面でも、ベストポジションが得られます。
チルト機構
標準位置から、上方向に13mm、26mmの2段、下方向に13mmの調節が可能です。
 
テレスコピック機構
前後30mmの範囲で調節が可能です。

テレスコピック機構

軽量・シンプル・高性能を実現した、
アルミフレームシート。
一般的に、シートにおけるフィーリングは、ヒップポイント下のクッション厚が多いほど優れているとされています。しかしNSXは、低いヒップポイントでありながら、軽量・シンプル・高性能で、しかもトップクラスのフィーリング性能をもったシートを開発しました。
従来、シートフレームは鉄によって構成されていましたが、アルミ板をプレス成形したアルミパンフレームを採用。これにより、これまでのシートに比べ部品点数も半分以下にまで低減しています。
ヘッドレストの基材にはプラスチックを採用、中空構造のブロア成形で軽量化を。さらに、スライドレールにはアルミを使用。押し出し成形により、軽く強いスライドレールを実現。このように、随所にわたり軽量化とシンプル化を図っています。シート・フォルムは、高いホールド性をもたらす、ヘッドレスト一体型のモノフォルム・バケット形式。クッション材には、シートの両サイドと中央部に、硬度の異なるパッドを用いています。中央部は低密度パッドとし、深い溝を入れ7分割とすることで、荷重を吸収。シートサイドは高密度パッドで中央部の影響を受けない構造。リクライニングにより折れ曲がる部分を、ジャバラ形状とするなどホールド性とサポート性を高めました。
スライド&リクライニングは、ワンタッチで操作できる電動パワーシートを、運転席・助手席ともに標準装備しています。
また、従来、フロアに取り付けていたシートベルトアンカーを両側とも直接スライドレールに取り付けることで、240mmという長いシートスライド量にもかかわらず、シートベルトを最適な位置で装着できる構造としています。

アルミフレームシート アルミフレームシート




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