一般に、スポーツカーは、アグレッシブで、他を圧倒するような個性的なエクステリア・デザインから、「走るオブジェ」「走る芸術品」とたとえられることがあります。NSXが求めたものは、それとは当然、異なる方向でした。
あくまでも人間優先に徹し、そのスタイリングのなかに機能性とドライブフィールを高次元で両立させることをめざし、そのために超音速小型ジェット機をエクステリアのイメージとして設定。操縦及び操作を最適にするために、運動性能、視界、空力など、あらゆる要素を計算しつくして生みだされたそのフォルムをモチーフとして、スタイリングを具体化したのです。
スポーツカーの概念を塗りかえた全方位視界の前進キャノピー・デザイン。M・R方式ならではの、コンパクト偏平ノーズと長く流れる独創的なテールエンド。そして、優れた空力特性をもたらす全身エアロフォルムなど。スポーツカーの新しい方向を提示する、未来感に満ちたスタイリングを実現しています。 |