NSX - 1990.09

NSX

NSX
 
TRANSMISSION


NSX専用に開発。
ドライバビリティを徹底追求した、ホールド機構付
フル電子制御・7ポジション4速オートマチック。
ドライバビリティを徹底追求することでスポーツカーの世界に新しい価値、すなわち“走る高性能オートマチック”を創造しました。
これは、人間優先の考え方をもつ次世代のスポーツカーとして、オートマチックトランスミッションでも、7,500回転もの高回転に対応し、その圧倒的な動力性能を最大限に発揮させることをめざしたからです。
そのため、新開発の平行3軸方式を採用し、高性能化とともに軽量・コンパクト化を達成しています。さらに、エンジンについても、オートマチックトランスミッションと組み合わせた場合にも最適な特性となるよう、セッティングを施し、高性能で高効率のオートマチックを実現しています。
また同時に、ミッションケース上部に、ホースレスで水冷のATFクーラーを採用しました。

7ポジション4速オートマチック

マニュアル感覚でスポーツ走行を楽しめる、
ホールド機構。
ポジションはP→R→N→D→3→2→1、の7ポジションです。
Dレンジは1から4速までの自動変速。3、2、1の各レンジは、それぞれのギヤをホールドするようになっており、マニュアルトランスミッションの感覚で1からDレンジまで、シフトアップ、シフトダウンを駆使したスポーツ走行を楽しむことができます。
Dレンジについては、スポーツ走行に最適な変速特性とし、ドライバーのアクセルワークに応じたなめらかな走りと、フル電子制御の変速ショック軽減システムにより、シフトアップ時やキックダウン時のショックの少ない、小気味よい変速フィーリングを味わうことができます。
NSXのDレンジは、スポーツ走行に最適な変速特性が得られるモードのみを設定していますので、2WAY4速オートマチックのような、Sスイッチによる切換え機構は採用しておりません。

高速走行時の安定性を高めた
新タイプのLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)。
高速走行時に路面のうねりや横風などの外乱を受けた場合でも、優れた走行安定性を保ち、ドライバーの負荷を軽減する、新しいタイプのトランスミッション内蔵型LSDを独自に開発。5速マニュアルミッション、4速オートマチックともに、採用しました。
路面のうねりや横風などの外乱を受けると、車体の向きが変わろうとします。この時、駆動輪である後輪の左右に発生する回転差によって、ディファレンシャルが瞬時に旋回内側のタイヤのトルクを増幅させることにより、クルマが向きを変えようとする力とは反対方向の復元モーメントを発生させることで優れた直進安定性をもたらすものです。リアドライブに適したトルク設定で、コンスタントなトルクを生みだします。
高速走行時のレーンチェンジ、急な横風でもトルクの立ち上がりが速く、高速直進安定性、横風安定性に優れ、さらに、スプリットμ路での発進・加速性能も向上させています。
  新タイプのLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)

新タイプのLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)




←前のページへ---目次へ---次のページへ→