NSX - 1990.09

NSX

NSX
 
CONCEPT

NSX

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新世代のスポーツカーだからこそ、
その「走る性能」以上に
安全にも配慮した人間重視のクルマであってほしい。
 
クルマにおいて、走りをマネージメントするのは、あくまで人間です。とりわけスポーツカーにおいてはそのウエイトが高くなります。それゆえに、つまり人間ゆえの判断ミス、コントロールミスが起こりうるわけです。
ホンダは、ハイパフォーマンスだからこそ、その性能を凌ぐほどの安全を身につけているべきだと考えます。NSXでは、これまでのスポーツカーではあまり論じられることのなかった領域、すなわち0次安全から緻密に、そして総合的に取り組みました。
0次安全とは、的確でスピーディな情報の提供や良好な視界などを通じて、つねに余裕のあるドライビングをもたらすこと。たとえばNSXのキャノピーデザインが生んだオープン水平視界311.8°の全方位視界などは、まさにその代表です。
さらには、ドライバーを心理的に、また肉体的に圧迫したり、疲れやストレスを感じさせないための緻密な計算が随所になされています。ホールド性のよいシートや優れたエアコンディショニングシステム、さらにはチルト&テレスコピック・ステアリングなど、ドライバーのストレスをおさえ、判断ミスやコントロールミスを未然に防ぐための環境づくりも徹底しています。
もちろん、危険からいち早く遠去かる、いわゆる事故回避能力が問われる1次安全も、さらに高度に。スポーツカーが要求される「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能をより高い次元で熟成したうえで、ミッドシップ専用に進化させたTCS(トラクション・コントロール・システム)や、新たな4チャンネル・デジタル制御A.L.B.(アンチロックブレーキ)、独自のLSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)など、スポーツカーの走りを損うことなく、人間が対応しきれない領域で補助の役目を果してくれるハイテク・デバイスを搭載。
万が一のさいには、SRSエアバッグシステムや衝撃吸収ボディ、衝撃吸収ステアリング、衝撃吸収バンパー、ドアビームなどが対応。新時代のスポーツカーは、同時に最も安全に配慮されたクルマでなければならない。また、気候や走る場所を選ぶものであってはならない。ホンダは、そうした考えのもと、従来のスポーツカーが見過ごしてきた新しい領域にも、果敢に踏みこみました。

NSXは、
0次安全から徹底した
セーフティ・スポーツ。



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