NSX - 1990.09

NSX

NSX
 
CONCEPT

ニュルブルクリンクの近くにワークショップを設営。
その場でエンジニア達が納得のいくまで走りこみ、
改良と熟成を重ねました。
NSXは、ありとあらゆる試練を経たスポーツといえます。
 
スポーツカーとは、既成の発想や技術から生みだされるものでは決してなく、本質から問い直していくべきもの。F-1に参画している、それがホンダの血というものかもしれません。
また一方では、天候や地域に左右されることなく、ドライビングを楽しめるものでありたい。そのためNSXは、開発に着手して以来、世界各地を舞台として、繰り返し熟成し鍛えあげる方法を選択しました。最新のテクノロジーと、テストと、研ぎ澄まされたエンジニア達との激しい攻防が、1台のテスト車をめぐって果てしなく続けられたわけです。
国内でのテストをはじめ、北欧やカナダでの雪上路、凍結路など。アウトバーンでは、高速クルージングを中心に。また、アメリカやオーストラリアの砂漠では、耐熱テストなどを。
こうして地球上を駆けめぐったテストのなかでも、最も過酷をきわめたのは、西独アイフェル山中に切り拓かれたニュルブルクリンク・サーキット旧コースでのものでした。
全長20km以上、高低差約300m、コーナー約200。世界最長にして最もハードとされるこのサーキットでは、8ヵ月という長期にわたりテストを実施。ワークショップを設営し、その場で何度でもチューニング。日本とのひんぱんな交信や、ときにはテスト車が日本を往復しながら、おそらくは考えうるあらゆる試練を経験したといえるでしょう。
ボディ、サブフレームまでも含めたボディ・サスペンション剛性、コントロール性能、エンジン性能、ブレーキ性能など。理論やデータだけに終始することなく、いわば人間の優れた感覚を基本として改良を重ねることで、つねにダイナミックな昂まりをもつ新しい走りを引きだすことを可能にしたのです。
またNSXは、鈴鹿サーキットで、アイルトン・セナ選手や中嶋悟選手などのF-1レーサーたちもテストに参加。開発過程において、最速レーサーの息吹きも吹きこまれました。

NSXは、
世界で熟成されたスポーツ。

NSX
 
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