プレスインフォメーション

NSX - 1990.09

NSX

たとえスポーツカーといえども
人間がマシーンに操られるのではなく、
人間こそが、自在に、そして壮快に、
マシーンを操ることをめざしました。

世の、名車といわれるスポーツカーは、そのパフォーマンスにおいて、きわめて優れた多くのものをもっています。また、乗る人を魅了するスパルタンな走り味や操作感など、ある種の緊張を必要とする、独特のテイストをもっています。しかしながらホンダは、新時代のスポーツカーとしてそれらとは異なる新しいテイストを求めました。
テクノロジーがこれほどまでに進化した時代にあって、クルマが人を選ぶことや、ときに必要以上の緊張と疲労を強いることが、これからもふさわしい方向なのだろうか。むしろスポーツカーに夢を抱く人があれば、それぞれの人が自分の資質に応じて、最高の性能を引きだせることこそ大切なのではないか。そう考えたのです。なぜなら、スポーツカーはレーシングカーのように、高度なテクニックをもつドライバーだけが乗るものではなく、サーキットという特殊な道路のみを走るために生まれたわけではありません。
みごとに速く「走り」、速く「曲がり」、速く「止まる」ならば、むしろ不必要な緊張やむずかしい操作などは積極的に減らしていくべきであると、ホンダは考えます。
かりに、同じ能力をもつマシーンであるとするならば、遥かに扱いやすく、より快適で安全で、そしてドライバーの意志に素直に応答するという喜びがある方が優れているといえるからです。
NSXは、新世代スポーツカーとして、いわば人間との深い接点をもつ、まったく新しい領域をめざしたのです。

NSXは、
ヒューマン・オリエンテッド・スポーツ。

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