LEGEND FACT BOOK
LEGEND 2004.10.7
Safety アクティブセーフティ[歩行者認知支援システム]
インテリジェント・ナイトビジョンシステム
歩行者の存在を知らせ、注意喚起する世界初のシステム。(メーカーオプション)
夜間走行時に、ヘッドライトを点灯していても街灯などの道路環境や走行状況によっては、前方の歩行者の存在に気付きにくい場合があります。
インテリジェント・ナイトビジョンシステムは、2つの遠赤外線カメラが捉えた映像によってドライバーの視覚を支援するとともに、音と歩行者強調表示による注意喚起機能を世界で初めて実現した「歩行者認知支援システム」です。夜間の一般道路を走行中に、肉眼では見えにくい前方歩行者の存在をいち早く知らせることで、ドライバーの認知・判断を支援し、ひいては事故の未然防止に貢献します。
Hondaでは、国土交通省が推進するASV(先進安全自動車)プロジェクトに積極的に参加し、「事故の防止と傷害の軽減」を目指した研究に取り組んできました。その一環として、歩行者に対する予知・予防安全の研究を進める中で、夜間走行時のドライバーへの注意喚起を重要視し、視覚支援機能に歩行者認知支援を加えた「Hondaナイトビジョンシステム」を2000年に発表。
そしてこのたびシステムの高性能、高精度化を実現したことで、このレジェンドから量産車への採用を進めていきます。
前方視界を妨げず、視認性が高くて視線移動も少ない、格納式ヘッドアップディスプレイを採用。
ヘッドアップディスプレイは、インストルメントパネル上部のドライバー正面に設置しています。システムOFF状態では格納されており、日射センサーの情報から夜であると判断し、かつヘッドライトあるいはフォグライトが点灯している状態でメインスイッチをONにするとポップアップします。映像表示部はミラーとし、インパネ内部からの映像を反射・投影。前方視界を妨げないサイズ、配置としました。また、映像の上下位置はドライバーのシートポジションに合わせて調整が可能。映像輝度の調整はメーターの輝度調整スイッチと共用連動しています。さらに、オートライトとの連動による自動起動や、最大輝度表示の選択も可能にし、ステアリングホイールにあるマルチインフォメーションディスプレイの操作スイッチで設定することができます。
システム構成
 
フロントバンパー奥2カ所に設置したステレオ式の遠赤外線カメラによる映像を、インストルメントパネル上部のメーターバイザー奥に設置した格納式のヘッドアップディスプレイに表示します。また、歩行者検知を行うインテリジェント・ナイトビジョンシステムECUを設置したほか、車速センサーや、夜間であることを判断してヘッドアップディスプレイの起動を可能にする日射センサーなど、走行状態や周囲の環境を把握するための各種センサー類で構成しています。
ヘッドアップディスプレイ
輝度調整スイッチ(メーター輝度連動)
インフォメーションスイッチ SEL/RESETスイッチ インフォメーションスイッチ
表示位置調整スイッチ(アップ) メインスイッチ 表示位置調整スイッチ(ダウン)
インテリジェント・ナイトビジョンシステム システム構成
ステレオ式の遠赤外線カメラによる、Honda独自の歩行者検知技術。
歩行者を検知するために、Hondaは遠赤外線カメラを2カ所に設置し、一般的に言われる三角測量と同じ原理によって歩行者を検知します。まず、右カメラの画像情報から熱源対象物を選び出し、左カメラの画像情報とマッチングさせ対象物との同一性を判断。左右2点から捕えた対象物のズレ(視差)によって対象物までの距離を算出します。さらに、算出した距離に基づいて対象物の相対的な位置や動きを判断し、形状判定と統合して歩行者であることを特定。注意喚起の対象として抽出します。インテリジェント・ナイトビジョンシステムは2つの遠赤外線カメラをステレオ化することで、初めて歩行者検知を可能にしています。
歩行者形状判定
 
対象物に対して歩行者であるかどうかは、形状によって判定します。頭部およそ20cm、肩部およそ50cm、高さ(身長)は1〜2mくらいという判別を行い、歩行者であると判定。それ以外の対象物を除外し、歩行者と判定した対象物について抽出します。
■歩行者検知フローイメージ
歩行者検知フローイメージ
■歩行者検知の基本原理
ステレオ式遠赤外線画像情報 距離・位置検出 動き検出
■歩行者形状判定
歩行者形状判定



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