LEGEND - 1996.02

LEGEND
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ヒューマ・リニアリティ5

[フロント振動吸収シート]
走行中の振動を最終的に乗る人へ伝達するのは、シート。そこで、シートはサスペンションの一部である、という発想のもと、サスペンションとのマッチングを図りながらシートづくりを進めました。まず、人体に悪影響を与えるとされる振動周波数を検証し、内臓との共振点である8ヘルツ前後が不快感を、10〜20ヘルツが視力低下や肉体疲労をまねくことに着目。この人体共振領域および身体疲労に影響すると考えられる5ヘルツ以上の振動を効果的に吸収させるために、車体トータルとしての振動目標値と常に照らし合わせながらシート各部の設定を行ないました。座面に内蔵する6本のバネの高さをアップして、バネ線径を細線化。また、バネの鋏角やトルクバー長さなど、バネ形状の最適化を図ったうえで、微振動域での高い遮断効果を得るために、ウレタンパッドの裏面にはプレスフェルトを設定しました。パッドについても密度と硬度のバランスを最適化するなど、ドライバーはもとより、助手席に座る方の疲労を低減し、乗り心地を向上しています。
フロント振動吸収シート透視図
フロント振動吸収シート透視図

[乗り心地、座り心地を高めた、各部への工夫]
●フロントシートバック
スポーティな走行でも体をしっかりと包み込むデザイン形状で、やわらかいタッチのソフトウレタンパッドを採用。ホールド感とソフトな乗り心地を確保しています。
●リアシート
20数種のシートを試作し、さまざまな角度から検証。クッションはウレタンパッドの厚さと密度をアップし、硬度をダウン。包み込みながら芯で受け止め、ヒップポイントの高さを保ちながら着座位置を落ち着かせます。さらに、シートバック、クッションともに、ウレタンパッドと表皮の間にやわらかいワディング貼りを施し、表面にソフトな感触を持たせました。
検証図

[高い機能性と快適性を併せ持つ、シート]
●パワーシート
運転席は、スライド、前/後独立ハイト、リクライニングを電動で無段階に調節できる8ウェイパワーシート。ランバーサポート(マニュアル)も備えています。また、助手席はパワースライド&リクライニング機能を装備。さらにレジェンド エクスクルーシブのリアシートは、2分割で操作できるパワーリクライニング機能を装備しています。
●ドライビングポジション・メモリー(レジェンド エクスクルーシブ)
シートポジションとステアリングポジションの、任意の2ポジションを記憶し、ドア部メモリースイッチのワンタッチ操作で自動再生。ドライバー交代時でも最適なポジションが簡単に得られます。
シート
Photo:レジェンド エクスクルーシブ 本革シート/ホンダ3-Dナビゲーションシステム/ピュアサウンドシステムはメーカーオプション

●高い基準で厳選した本革シート(メーカーオプション)
通常、本革シートにはやわらかさや風合いを良くする化学合成油脂が添加されており、夏季の駐車時など、室内温が上昇した場合などには油脂が揮発してウインドウガラスを曇らせてしまうことがあります。そこで、ソフトで傷がなく、しかも油脂の揮発性が低くて、なおかつ風合いを損なわないレザーを厳選。しっとりした質感を大切にしながら、レザーのマイナス要因を抑えています。
●前席シートベルト・テンションレリーファー
シートベルト・プリテンショナーによる安全性能を備えたうえで、ベルト着用率と快適性の向上を目的に、ベルトの着用感を不快に感じる方への配慮として、着用時の巻き取り力をゼロにするテンションレリーファー機構を備えています。また、ホールド感を好む方への対応として、レリーファー機能ON/OFFスイッチも設置しています。

クルマに乗り込む。その動作のなかで感じる高級。
資質の高さを物語る、高精度ドア。


ドアを開け、乗り込んで、ドアを閉める。この時に感じる剛性感や音は、クルマの資質を知る第一印象となります。そこで、重厚感のある開閉フィーリングを得るために、ドア各部の精度を高め、剛性を大幅にアップ。さらにウインドウの開閉フィーリングにもこだわり、新構造を採用するなど、高級車へのエントランスにふさわしい、高精度なドアを実現しています。
板厚の異なる鋼板をレーザー溶接によってブランク接合した一体成形ドアパネルの採用により、強度がより必要な部位 の厚板化を可能に。高剛性化とともに従来構造での補強部材が削減できたことで、軽量 化も実現。
ドアサッシュ板厚をアップし、剛性を向上。
ドアヒンジやドアストライカーの締め付け精度を向上し、仕立ての良いボディを実現。
ドアロックにスティフナーを追加し、ドア開閉音と強度をさらに向上。
樹脂コーティングを施したドアチェッカー構造とすることで、ドア開閉音を高品質化。
アウターハンドルをガスインジェクション製法により1ピース化し、グリップ剛性感を向上。
ワイヤー式レギュレーターの採用により、よりスムーズなウインドウ開閉を実現。



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