LEGEND - 1996.02

LEGEND
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ヒューマン・リニアリティ1

TRANSMISSION
リニアでスムーズなシフトフィールが走りの質を高める、
7ポジション電子制御4速オートマチック。


ドライバーはもちろん、パッセンジャーにも高級車としてさらに次元の高い走りを実感していただくために、トランスミッションの随所に熟成を施しています。クラッチ油圧制御の改良やトータルチューニングを施し、スムーズで心地よい上質な変速を実現するとともに、シフトマップの見直しなどによって伸びやかで切れ目のないシフトチェンジフィールを獲得。オートマチック車特有のクリープ現象の最適化にも取り組むなど、常用域で気持ちの良いトランスミッションに仕上げています。

[ハイクォリティ・スムーズシフト]
●セミダイレクト制御
オートマチック車のシフトアップやキックダウンの瞬間に発生する前後G。このシフトショックを低減するために、制御系油圧回路を改良し、ライン圧・可変オリフィス制御によるセミダイレクト制御システムを採用しました。スロットル開度に応じてリニアソレノイド制御圧をレギュレーターバルブに導入してライン圧を直接コントロールし、これに連動してライン圧回路上に設けた2つのオリフィス(小孔)を使い分けながら油圧を制御。スロットル低開度域のよりなめらかなクラッチ圧制御を可能にしました。これにより、シフトアップ時はエンジン回転に見合った適切な油圧を短時間で立ち上げてクラッチを素早くつなぎ、スムーズな変速を。またキックダウン時は、エンジン回転が低い状態では油圧を低く保ち、エンジン回転の上昇とその油圧とが見合った時点から急速に加圧し、なめらかで伸びやかな加速を可能にします。
●ファインECU制御
変速時の各クラッチ圧をトータル的に最適な制御ができるように、ECU制御にもチューニングを実施しています。シフトソレノイドバルブによってトータル的にコントロールし、変速に応じた最適なタイミングで各クラッチ圧を制御。また、繰り返し変速を行なう状況でも、前のシフトアップやキックダウンなどの変速制御状態を記憶し、次の変速時に活用することでリニアソレノイド制御を行ない、変速のバラツキを抑えたスムーズな走行を可能にします。
●アキュームレータ2段特性&クラッチ応答性改良
各クラッチのアキュームレータを低バネレート化するとともに、2速、3速クラッチのバネレートには2段特性を持たせました。また、クラッチ摩擦材の改良やクッションスプリングのセッティング最適化により、各クラッチの応答性を向上。油圧によるクラッチ接続時のショックを緩和し、主にスロットル低開度域での変速ショックを改善しています。

[リニア・シフトフィーリング]
●プロスマテック(タイプII)を採用
ドライバーの期待するシフト感覚に合ったスムーズな走りを可能にすることで定評の、ホンダ独創の変速スケジューリングシステム、プロスマテック(タイプII)。登坂路ではファジー推論制御によって頻繁に起こりがちな変速を抑えてドライバーの意志に沿った最適ギアでの走行を保ち、降坂路や平坦路では走行状況に応じた最適な変速やエンジンブレーキ効果が得られるこのシステムを採用しました。そのうえで、上質な走りのために変速ポイントの改良などを施し、これまでにないほどのスムーズでリニアな走りを実現しています。
●ハイレシオ化およびシフトマップ改良
通常の街中での走行をはじめ常用域において、どのような変速が最も気持ち良いかを徹底的に検証しました。ギアレシオを一部ハイレシオ化するとともに、バランスを最適化しながらそれぞれのシフトマップを改良。スムーズな発進、伸びのある加速感、継ぎ目を感じさせない変速感を獲得しています。

シフトマップ(Up)
シフトマップ(Up)
シフトマップ(Down)
シフトマップ(Down)

ギアレシオ表
  Newレジェンド 先代モデル
型式 E-KA9 E-KA7
変速比 1速 2.458 2.458
2速 1.454 1.454
3速 0.948 0.973
4速 0.652 0.630
後退 1.880 1.826
減速比 第1次 1.275 1.394
第2次 3.133 3.133

●新機構、低クリープ高効率トルクコンバーター
オートマチック車特有のクリープ現象を最適なものとするために、トルコン特性の改良も施しました。ステータ翼列流出角修正法による3次元解析により、ステータ翼形状を最適化し、適切なクリープで高効率なトルコン特性を獲得。高級車としてのスムーズな発進フィーリングが得られます。また、エアコン作動時や冬季のエンジン始動時など、アイドリング回転が上昇しがちな場合でも、違和感のないものとしています。
●ゲート式セレクトレバー採用
より確実で品位のあるシフト感覚のために、ゲート式のセレクトレバーを採用。高級感を演出し、上質で小気味良いシフトフィールを獲得しています。また、シフトポジションセンサーの位置をセレクトレバーからトランスミッション側に変更するとともに、コントロール系のフリクション低減化などにより、走りにマッチした高質な操作性を実現しています。
ゲート式セレクトレバー
ゲート式セレクトレバー

■ギアノイズを低減し、高級車らしいトランスミッション静粛性を実現。
まず、ギアノイズの発生源であるギアの噛み合いを見直し、1速、3速、後退ギアの噛み合い率をアップ。セカンダリーギアの形状と騒音の関係を検証し、ギアノイズに対処した最適形状としました。また、各クラッチのバランスを修正することでアイドリング振動の低減にも配慮しています。こうした細部にわたるチューニングを施したうえでトランスミッションケースの剛性を高めるなど、高級車にふさわしい静粛性の高いものとしています。

Newレジェンドのシフト装置には ●ブレーキペダルを踏まないと、セレクトレバー[P](駐車)位置からのシフト操作が行なえないシフトロック機構 ●[P]位置にあるときのみイグニションキーを抜くことができるキー・インターロック機構●[R](後退)位置にあることをチャイムでドライバーに知らせる後退位置警報装置が装備されています。



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