LEGEND - 1990.10

LEGEND
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SAFETY

SEATBELT PRETENSIONER

より快適な装着感と機能性を実現した、シートベルトへの細やかな配慮。
万一の場合の乗員保護については、シートベルトの正しい着用がなによりも基本となります。ホンダは、シートベルトのひじょうに優れた乗員保護性能を十分に認識した上で、快適な装着感や装着の容易さの実現に向けて努力してきました。そして、その成果を随所に反映させたのが、新レジェンドに採用されたシートベルトです。

●テンション・レリーファー付3点式ELRシートベルト(フロント席)
シートベルト装着時のベルト張力を取り除き圧迫感を解消するのがテンション・レリーファー。緊急時のみベルトをロックするELR装置とあいまって、通常時の快適さを生み出します。なお、リア左右席にも3点式ELRシートベルトを装備。タイプαは、ベルト張力を低減するテンション・リデューサー付です。また、ウェビングは、ソフトな感触や耐久性の向上を実現しています。
アジャスタブル・シートベルトアンカー
●アジャスタブル・シートベルトアンカー
乗る人の体格に合わせて、ショルダーアンカー位置を上下に調節できる機構です。また、シート側アンカーをシートに直接設置したシート一体アンカーを採用。シートスライド位置を問わず、つねに適切な位置で、シートベルトが装着できます。
●ウォーニング・インジケーター
前席シートベルトを締め忘れた場合に、インストルメントパネル内の警告灯と警告音が教えてくれる親切設計です。

シートベルト引き込み装置
シートベルト引き込み装置

逆転防止機構
国産車初、シートベルト・プリテンショナー。
長年にわたりシートベルトの性能を追求してきたホンダは、このほど日本のメーカーとして初めて「ホンダ シートベルト・プリテンショナー」を開発し、その技術を確立。新レジェンドに搭載しました。これは、前方向からの衝突時にシートベルトを瞬間的に引き込み、乗員をシートに固定することでシートベルトの効果をいっそう高めるものです。プリテンショナーの採用により、装着のしやすさや快適さを保ちながら保護効果をより高めることが可能になります。ホンダは、優れた効果をもたらす独自技術(ベルト引き込み機構、逆転防止機構)でこれを実現しました。なお、このシートベルト・プリテンショナーは、ホンダSRSエアバッグシステムと併用した場合、乗員の保護効果をさらに高めることができます。

●センサー
SRSエアバッグシステムと共用化。一定以上の前方向からの衝撃を感知すると、SRSエアバッグシステムと同時にシートベルト・プリテンショナーも作動します。
●パワーソース
点火用ヒーター、点火薬、推薬、ピストンなどから構成され、センサーからの信号で点火します。発生するガス圧によってシリンダーのピストンを押し上げ、シートベルト引き込みの作動力を生みだします。パワーソースの中で最も重要な推薬には、耐熱性や耐久性に優れた成分を使用しています。
●ベルト引き込み機構
シートベルトは固定歯と可動歯の間を通り、通常使用時の抵抗がないように設計しています。
パワーソースの作動で発生した推力はプーリーによって回転運動に変換されます。そして可動歯が動き、固定歯との間でシートベルトをはさみ、さらに回転しながら引き込みます。
●逆転防止機構
シートベルトの引き込みが終了すると、乗員のシートベルト張力によって逆転防止歯がかみ合い、その状態で保持します。逆転防止を確実にするため、かみ合いは歯車の4つの箇所で行います。
※シートベルトそのものをはさんで引き込み、その状態で保持する構造は、ホンダが独自に開発したものであり、優れた性能と高い信頼性を発揮します。

シートベルト引き込み装置構造図 ベルト引き込み機構および逆転防止機能の作動図


[作動プロセス]
衝突時に発生する一定以上の前方からの衝撃をセンサーが感知すると、パワーソースの電気点火装置に電気信号が送られ、シートベルト・プリテンショナーが作動します。乗員が衝撃で前方へ移動する前にシートベルトを引き込み、その状態で保持。
乗員をシートにしっかりと固定します。シートベルトの引き込み量は、シートベルトにたるみがない場合は約50mm、多少のたるみがある場合には最大100mm。またベルト引き込み荷重は、乗員に傷害を与えないレベルにしています。



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