LEGEND - 1990.10

LEGEND
LEGEND

CONCEPT 2 〔基本性能の革新〕
人の感性にどこまでも忠実で高品位感に満ちた、気持ち良い走りの創造。

FFミッドシップを核に、理想的なパワートレーンの開発に挑みました。
“クルマ”とは、あくまでもドライバーが走る歓びを堪能できるものでなくてはならない。ホンダが考える、このドライバーズカーのコンセプトをきわめて高度なレベルで満たすため、新レジェンドは高い運動性能、快適な乗り心地のみならず、人の感性にどこまでも忠実で高品位感に満ちた走りの創造をめざしました。
その核となったのが、アコード インスパイア、ビガーに続き採用した、FFミッドシップ縦置エンジンレイアウト。画期的手法によって60:40というFFとして理想の前後重量配分を実現し、FFならではの優れた高速直進性、安定性をそのまま維持しながら、ハンドリング性能を向上し、振動も低減するなど、走りのポテンシャルを本質から進化させた新世代のFFテクノロジーです。新レジェンドでは、このFFミッドシップをさらに発展。常用域である低中速回転のトルク特性を格段に向上させた3.2L V型6気筒24バルブエンジン、そしてダイレクト&スムーズな走行感覚を徹底して追い求めた7ポジション4速電子制御オートマチックを融合させ、ここにFFミッドシップV6 3200という、まったく新しいパワートレーンを完成しました。
さらに、キャビン剛性の大幅アップ、上質な乗り味と運動性能を高次元で両立する新開発フラットライド4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンションの搭載、優れた小回り性の実現など、ボディをはじめとしてすべてを新設計し、走りの性能をトータルに引き上げています。

徹底して行われた検証が、レジェンドならではの気持ち良い走りを生み出しました。
これら、旧来の技術概念にとらわれない、最先端のテクノロジーの数々を惜しみなく投入した上で、ホンダが理想とする高級ドライバーズカーの走りの実現に向け、さまざまなカタチで十分な吟味、検証を実行しました。テストコースとして、ドイツのニュルブルクリンクサーキットにまで及んだ長期にわたる厳しい走行テストもそのひとつです。そこでは、数多くの開発スタッフ自らがステアリングを握り、純粋に乗る人の気持ちになって入念な検証を繰り返してきました。例えばエンジンのトルク特性、サスペンションのチューニング、ボディの剛性など、「乗ってどうか」「運転してどうか」を大切にし、じつに微妙なフィーリングの差異をも反映。いわゆるスペック性能を追求するだけでなく、人間の感覚という技術フィルターを重視することで、新レジェンドは、数値では表すことのできない、ドライバーの感性にあくまでもフィットした気持ち良い走りを実現しました。

テスト走行

技術の核



← 前のページへ --- 目次へ --- 次のページへ →