INTEGRA - 1993.05

INTEGRA
INTEGRA
 

ボディ



Body
 

INTEGRAボディ
 

基本を熟成しながら各部の強度を高めた、
高剛性モノコックボディ。
ボディは、エンジンやシャシーなどのすべてを支える母体であると同時に、乗り心地、操縦安定性、静粛性、安全性といったあらゆるものの基礎となる構造体です。ニュー・インテグラのボディ開発で求めたのは、基本を崩すことなく、効率的な鉄板の組み合わせをはじめ、構造体として必要な断面形状・サイズの確保や結合を確実に行なうなど、適材適所を追求することで、高剛性なモノコックボディをつくり上げることでした。これらを達成するために、徹底したコンピュータ解析によりフレームの強度そのものの向上を図りました。その上でリアフレームエンドにガセットを入れ、ピラーを視界や乗り降りのさまたげにならないようにラウンドさせながら剛性部材を入れるといった工夫を行ないました。また、フロントピラー全体にスティフナー(補強材)を配置し、センターピラーもサイドシルからサイドルーフレールまで上下一体でつなぐスティフナーを設置。キャビンの剛性をアップするなど、各部の剛性を高めています。
 

モノコックボディ・コンピュータ解析図
モノコックボディ・コンピュータ解析図

 
剛性と強度の両方を高めた、
アンダーフレーム構造。

ボディの基礎となるアンダーフレームは、いろいろなサブフレームを取付けて剛性を高めるのではなく、太い柱のフレーム構造で剛性と強度の両方を高めています。
フロントサイドフレーム、リアフレーム、サイドシルそれぞれのオフセット量を極力減らし、骨格をストレート化。加えてサイドシル断面は、剛性効率のよいボックス形状としました。これにより、衝撃などのエネルギーを吸収・分散させスムーズに受け止めるとともに、走行時の振動などに対する剛性を確保。また、フロアトンネルのフレームを二重化して、より剛性を高めています。


アンダーフレーム構造図

アンダーフレーム構造図


 
心地よいエンジンサウンドはそのままに、
不快な音だけカットした、低NV化。
気持ち良く走るための快適な居住空間のために、ボディ各部にインシュレータやサンドイッチパネル、シール材を配置し、エンジンやタイヤなどの不快な透過音、風切り音などを低減。あらゆる角度から低NV化を図っています。
インストルメントパネル裏のダッシュボードパネルを二重のサンドイッチメルシート構造とし、制振効果をアップ。
厚めのダッシュボードインシュレータで、エンジンの透過音を低減。
ダッシュアッパーにもインシュレータを配置。
フロアまわりにはアスファルトメルシートを各所に配し、ロードノイズの侵入を低下。
アウターパネル裏側には、ダンプシートを配置。
フロントピラーインナーに穴埋めシール材を追加。

 

各部説明図

(1) ダッシュアッパー・インシュレータ
(2) ダッシュボード・インシュレータを厚目化(Si VTEC)
(3) ダッシュボードパネル・サンドイッチメルシート構造
(4) ピラー・インナーに穴埋めシール材
(5) フロントフロア・アスファルトメルシート
(6) ミドルフロア・アスファルトメルシート
(7) アウターパネル裏側ダンプシート
(8) リアフロア・アスファルトメルシートを最適位置へ配置

 
■インナーサッシュドア(ピンガイドタイプ)
各ピラーとドアガラスの段差をきわめて少なくした、インナーサッシュドアを採用。フラッシュサーフェス化が図れ、空気抵抗の軽減や風切り音の低減を可能にしたほか、ピンガイドタイプにより高速時のガラス吸い出されタフネスの向上も実現。大幅な軽量化も達成しています。
 
剛性感のあるハンドリングと心地よい操作感
を実現した、高剛性ステアリングハンガー構造。
ダブルベアリング式のステアリングコラムと、それを支える角断面のハンガービームを採用し、ボディに対して左右方向で効率良くしっかりと結合しました。この構造により、ステアリングの上下・左右の振動を低減し、剛性感のあるハンドリングと心地よいステアリングフィールを実現しています。

高剛性ステアリングハンガー
高剛性ステアリングハンガー


 
ニュー・インテグラの美しさを末永く
保持するための、細心の防錆対策。
ロングライフ化をめざし、ニュー・インテグラは細心の防錆対策を施しています。まず、錆に強い亜鉛メッキ鋼板をボディの各所に使用。そのうえで塩ビ・ゾルコートや防錆ワックスを塗布するなど、入念な処理を行ないます。
また、水跳ねや石跳ねを受けやすいサイドシルは樹脂プロテクターで全面カバーするなど、ボディを錆から徹底的に保護します。

サイドシル・樹脂プロテクター断面図
サイドシル・樹脂プロテクター断面図

 

亜鉛メッキ鋼板使用部位図
 

地球環境保全の視点から、リサイクル化
およびフロン対策を積極的に推進。
樹脂部品の中で特に大きな割合を占める前後バンパーをはじめ、サイドガーニッシュなどのリサイクル化に対応。フロントバンパーについては、ボディ直接取付構造とし、脱着性の向上を図るとともに、分割可能な設計にしました。しかもリサイクル時に材質を選別しやすいよう、樹脂部品には材料記号を明示しています。
また、エアアウトレット、スプラッシュガード、フューエルパイプカバー、ステアリングジョイントカバーなどについては、リサイクル材で製造しています。
一方、フロン対策についてはエアコン用冷媒に代替フロン(R134a)を使用しているほか、製造工程においてもフロン対策を推進。シートクッション発泡のノンフロン化やステアリングウレタン発泡の代替フロン化(R22)など、総合的な視野で環境対応を進めています。
 



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