FACT BOOK
INSPIRE
INSPIRE 2007.12.19
Driving〈シャシー〉
ダイレクトな操作感としなやかな乗り心地を高次元で両立した、新開発シャシー。
安心感のある高いスタビリティや、軽快かつ確かな手応えのハンドリング、しなやかでフラットな乗り心地を高次元で両立するために、低重心化と、ワイドトレッド&ロングホイールベースを活かすサスペンションジオメトリーを追求。シャシー各部の高剛性化およびリアフローティングサブフレームや225/50R17の大径・ワイドタイヤの採用などと合わせ、操縦安定性と乗り心地を高いレベルで両立しました。さらに、VGR(可変ステアリングギアレシオ)の採用やブレーキバランスの向上などにより、リニアな操作フィールを獲得しています。
一体感のある走りに貢献する徹底的な低重心化。
ボディサイズとエンジン排気量を拡大しながら一体感のある乗り味を実現するために、低重心化・低慣性化を追求しました。エンジンを10mm低くマウントし、さらに、サイドマウントとトランスミッションアッパーマウントを慣性主軸付近に傾斜配置することで、エンジンのロール中心をエンジン重心よりも低くするとともにロールアーム長を短縮。これにより、ボディのロールに対しエンジンが同方向に小さくロールすることで一体感のある旋回フィールを獲得しました。また、燃料タンクは成型自由度の高い樹脂製とし、容量を増加しながら45mm薄型化するとともに430mm前方に配置して低慣性化。これらにより、車体全体で低重心化を実現しています。
比較数値は従来モデル比
■エンジンロール概念図
エンジンロール概念図
ハイレベルなスタビリティを生むサスペンションセッティング。
ロールセンター高を高くするとともに、車体のロール軸を前下がりに設定することで旋回時のロールを抑制し、ドライバーの感覚に合ったスムーズなロールフィールを獲得しました。同時にフロントの転舵キャンバー変化を大きくすることで、低重心化と合わせ旋回時におけるタイヤの接地性を高め、操縦安定性を向上しています。また、低重心化と60mmのロングホイールベース化により車体のピッチングモーメントを低減したうえで、フロントのアンチダイブ角、リアのアンチリフト角をそれぞれ増加し、制動時の車体の姿勢変化を抑制。制動時の安心感を高めています。
比較数値は従来モデル比
■ロールセンター高/重心高概念図
ロールセンター高/重心高概念図
[ダブルウイッシュボーン・フロントサスペンション]
ハイマウントタイプのダブルウイッシュボーン・サスペンションを採用し、操縦安定性と乗り心地を高次元で両立するジオメトリーを追求。さらに、メカニカルコンプライアンス角の適正化や、コンプライアンスブッシュの大径化により、いっそう乗り心地を向上しています。
[新開発マルチリンク・ダブルウイッシュボーン・リアサスペンション]
A型アッパーアーム、2本のロアアーム、コントロールアームの4本で構成されるマルチリンクタイプのダブルウイッシュボーン・サスペンションを新開発。すべてのアームをフローティング支持されたサブフレームに取り付ける構造とし、コンプライアンス特性をサブフレームに持たせることでジオメトリー剛性を高めました。横剛性を大幅に高める高剛性リアハブユニットベアリングの採用と合わせ、高い安定性と優れた乗り心地を両立しています。
■ダブルウイッシュボーン
  フロントサスペンション
■マルチリンク
  ダブルウイッシュボーン
  リアサスペンション
ダブルウイッシュボーンフロントサスペンション マルチリンクダブルウイッシュボーンリアサスペンション
ダイレクトなステアフィールとボディの大きさを感じさせない取り回し性を実現した、VGR(可変ステアリングギアレシオ)。
ステアリングの切り始めはスムーズで、切り増すほどに操舵量に対してより大きなタイヤ切れ角が得られるVGRを採用し、専用のレシオ設定としました。優れたシャシーバランスによって高い車両安定性が得られた結果、全体にクイックなレシオ設定が可能となり、ロック・トゥ・ロックを従来モデルの約3回転から約2.5回転に減少。高速走行での車線変更では安心感のある操作感を、コーナリング時には確かな手応えを感じるダイレクトなハンドリングを、低速走行でのUターンや車庫入れ時には、ボディの大きさを感じさせないきびきびとした取り回し性を実現しています。
VGR:Variable Gear Ratio
剛性感と、リニア感のあるブレーキフィール。
制動時の車体姿勢を安定化させたうえで、リアブレーキに大径キャリパーピストンを採用し、前後ブレーキバランスを適正化。安心感のある優れた制動性能を発揮します。また、マスターシリンダーを小径化するとともに、取り付け剛性の高いタイロッド構造とすることで、軽量化と高剛性化を両立。さらに、最適なブレーキペダルレシオ設定とすることで、剛性感のある、リニアなブレーキフィールを実現しています。

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