INSPIRE FACT BOOK
INSPIRE 2003.6.18
革新パワートレイン
国土交通省「超−低排出ガス」認定を取得した優れたクリーン性能。
両側シリンダーヘッドの直下に高密度キャタライザーを設置。燃焼ガスの熱損失を大幅に低減し、キャタライザーの早期活性化を実現することでコールドスタート時の浄化性能を高めています。さらに、床下にもキャタライザーを設置。気筒休止状態が長く続き片側バンク直下のキャタライザーの温度が低下した場合にも、確実に排出ガスの浄化を行います。また、直下型キャタライザーそれぞれにリニアA/FセンサーおよびO2センサーを配置し、きめ細かく空燃比を制御。さらに高霧化12穴インジェクターを採用したうえできめ細かな制御を行い、より完全に近い燃焼を実現することで燃焼ガスそのものをクリーン化。この結果、国土交通省「超−低排出ガス」認定を取得しています。
「超−低排出ガス」認定車表示マーク
平成12年排出ガス規制のHC、NOxについて、規制値を75%以上下回る
優秀な環境性能を達成した車両に与えられます。
細部にいたるまでコンパクト化を追求。
補機類の駆動にサーペンタイン式ベルトの採用や、高強度タイミングベルトの採用、クランクシャフト両端部短縮などにより、排気量が増大したにもかかわらず、エンジン全幅を従来モデル(25V)比−25mmを達成しています。
DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を採用。
自然でリニアなアクセルフィーリングが得られる電子制御スロットルコントロールシステム、DBWを採用しました。アクセルペダル操作をセンサーによって電気信号に変換し、ECUでエンジン回転数などから走行状況に最適なスロットル開度を算出。アクチュエーターがスロットルバルブをダイレクトに制御することで、より緻密で自然なスロットルコントロールを可能にしています。さらに、5速ATとの協調制御やVSAとの組み合わせに加え、可変シリンダーシステムとも緊密に協調し、よりいっそうスムーズでコントローラブルな走りを実現するとともに低燃費にも大きく貢献しています。
スムーズで燃費性能にも優れたクルーズコントロール制御。
クルーズコントロール作動時のスロットル制御を最適化し、可変シリンダーシステムの効率の良い切り換えを実現しました。できるだけ気筒休止状態での走行を多くし燃費を向上するとともに、不要な切り換えを抑えることでスムーズな走行を可能としています。また、HiDSの車速/車間制御(IHCC)においても同様に作動し、前走車に接近しエンジンブレーキが必要な場合や、加減速を繰り返す前走車に追従する場合には、6気筒燃焼で走行します。
   
V6 3.0L i-VTECエンジンの高い動力性能と、2.5Lクラスを凌ぐ優れた燃費性能をともに最大限に引き出す、5速オートマチックトランスミッションを新開発。可変シリンダーシステムの特性を活かしたレシオ設定や、DBWをはじめとするエンジンデバイスとの緻密な連携による減速時のフューエルカット領域の拡大など、エンジンとの高い整合性を実現。質の高いスポーティーな走りときわめて優れた燃費性能を同時に獲得しています。
■5速オートマチックトランスミッション構造図
可変シリンダーシステムの特性を活かし、
加速性能と低燃費を両立させるレシオ設定。
従来モデル(25V)のレシオ設定に対して5速のレシオを5.8%低く設定し、4-5速間をクロスレシオ化。これにより5速クルーズ走行からのキックダウンが迅速かつスムーズに行われ、追い越し時などに威力を発揮します。通常、ローレシオ化すると、同速度ではエンジン回転数が高くなるため燃費はマイナスとなりますが、可変シリンダーシステムによる大幅な低燃費化により、加速性能を重視したレシオ設定が可能となりました。また、このローレシオ化によって5速走行をやや高回転にすることで、可変シリンダーシステムが3気筒に切り換わった際のトルク低減を抑えることができ、気筒休止領域の拡大化も実現。力強い動力性能と低燃費の両立に大きく貢献しています。
気筒休止状態でのロックアップ作動時の振動を、効果的に低減。
ロックアップ作動時に発生するエンジン回転変動による振動は、気筒休止状態では大きくなります。この振動を低減するために、ロックアップダンパーにロングトーションスプリングを採用しました。気筒休止状態ではバネ定数の低いスプリングで振動を受け止め、回転変動を効果的に吸収。6気筒作動時と同等の振動レベルにすることで、違和感のないようにしています。
減速ロックアップとフューエルカット領域を拡大し、低燃費に貢献。
気筒休止状態での減速時はエンジンブレーキが弱いため早めにシフトダウンが行え、5速→4速、4速→3速まで連続した減速ロックアップとフューエルカットを可能としました。また、降坂路と判断した場合には6気筒状態となり、エンジンブレーキ効果を高めます。
スポーティーな走行時に不要な変速を抑えるシフトホールド制御。
走行状態に応じて知能的なシフト制御を行うプロスマテックを進化させ、ドライバーのシフト感覚により近づけるシフトホールド制御。Dレンジでの走行時に、ドライバーの操作や車速変化などから走行状態を瞬時に判断し、変速操作を最適制御。特にワインディングなどでのスポーティーな走行時には、シフトホールド制御によりアクセルのオン/オフによる不要な変速を抑え、充分なエンジンブレーキによる減速やタイムラグのない鋭い加速が得られます。
■シフトホールド制御作動イメージ図
ドライバーの意志を尊重し、気筒休止解除機能を持たせたSマチック。
マニュアル感覚の変速操作が行えるSマチックを採用したうえで、シーケンシャルモード選択時には気筒休止を解除。積極的なシフト操作でV6エンジンの走りを堪能できます。また、通常のATモードでも操作がシンプルなストレート式としています。



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