Inspire SABER - 1995.02

INSPIRE/SABER
Inspire SABER
ENGINE&TRANSMISSION イメージ写真

ENGINE
トップクラスの高出力、低中速域におけるトルク性能など、
卓越の走りを生む直列5気筒エンジン。
5気筒エンジンは、そもそもがなめらかで振動が少なく、静粛性にすぐれるという基本性能を有しており、同時に高出力化も図りやすいというきわめて大きな利点をもっています。そこに、1気筒4バルブ方式、電子燃料噴射システムPGM-FIに代表される独創の高回転、高効率化技術を投入。4気筒の俊敏さと、6気筒の力強さ・なめらかさをあわせもつ、2.0Lから2.5Lの排気量レンジにふさわしいバランスを実現したのが、直列5気筒20バルブエンジンです。
このすぐれたエンジンをさらに磨き、心を満たす豊かな走りと実用性を高次元で両立させること。すなわち、トップクラスの高出力と、低中速域における高いトルク性能を獲得するとともに、アッパー・ミディアム・クラスに不可欠な静粛性をきわめて高いレベルで達成することが、今回のパワープラント開発における命題となりました。
そのため、エンジン各部の剛性のアップを図りつつ、一方では軽量化にも取り組むなど、細部にいたるまで専用チューニングを行ないました。
そして、静かに気持よく加速していける、ストレスのない上質な走りを生み出したのです。また、今回あたらしく、経済性を考慮した2.5L無鉛レギュラーガソリン仕様を設定。2.5L無鉛プレミアムガソリン仕様、2.0L無鉛レギュラーガソリン仕様とあわせ、3タイプのエンジンを用意しています。

2.5L直列5気筒20バルブエンジン構造図
2.5L直列5気筒20バルブエンジン構造図

●2.5L無鉛プレミアムガソリン仕様(25S)圧縮比を10.0と高めに設定しました。190PS/6,500rpmとこのクラスでトップレベルの高出力・高トルクを達成しています。また、排気音の低減と高出力を両立するために、可変流量サイレンサーを新開発。これは、センサー、コントローラー、アクチュエーターといった電子デバイスを用いることなく、サイレンサーに内蔵したバルブの開閉で排気ガスの流量を切り換える画期的なもの。負荷が低い場合には、バルブは閉じた状態で排気音を低減。高負荷時には、バルブが開き、よりスムーズに排気が行なわれます。

可変流量サイレンサー
可変流量サイレンサー

●2.5L無鉛レギュラーガソリン仕様(25XG/25G)
ランニングコストの軽減を図るとともに実用性を高次元でクリアするゆとりのパフォーマンスを求めたのが、この2.5L無鉛レギュラーガソリン仕様です。直列5気筒のすぐれた性能を引きだすひとつのカギである吸・排気系を大容量化。無鉛プレミアムガソリン仕様と同様の、2ステージのインテークマニホールドを用いることで、180PS/6,500rpmと、アッパー・ミディアム・クラスに必要充分な高出力を達成しました。
さらに、燃焼室まわりの冷却効率を高め、耐ノッキング性能を向上させるなど、高品位な走りを実現しています。

2.0L無鉛レギュラーガソリン仕様(20G)2.0Lの排気量でトップクラスの性能と、実用領域での扱いやすさをそなえた、2.0L無鉛レギュラーガソリン仕様です。最高出力は160PS/6,700rpmで、しかも全域にわたってストレスのない回転特性と太いトルクを有しています。

  2.5L
(無鉛プレミアムガソリン仕様)
2.5L
(無鉛レギュラーガソリン仕様)
2.0L
(無鉛レギュラーガソリン仕様)
総排気量 2,451cm3 2,451cm3 1,996cm3
最高出力 190PS/6,500rpm 180PS/6,500rpm 160PS/6,700rpm
最大トルク 24.2kgm/3,800rpm 23.0kgm/3,800rpm 19.0kgm/4,000rpm
10・15モード走行燃費
(運輸省審査値)
10.2km/L 10.2km/L 10.8km/L
ボア×ストローク 85.0mm×86.4mm 85.0mm×86.4mm 82.0mm×75.6mm
圧縮比 10.0 9.3 9.3

*ネット値:「ネット」とは、エンジンを車両搭載状態で測定したものです。

上質な走りに不可欠な高い静粛性を求めて、
基本骨格から新設計し剛性を高めました。
直列5気筒エンジンは、ピストンなどの往復運動による振動が非常に少なく、同時に高回転域で問題となるパワープラント全体の共振振幅も小さいという、すぐれた資質を有しています。それをベースに新アッパー・ミディアム・クラスにふさわしい静粛性を獲得するため、エンジン各部の剛性のさらなる向上に取り組みました。
具体的には、シリンダーブロックのシリンダーヘッド、オイルパン、さらにトランスミッション、それぞれの合わせ面における結合剛性をアップ。また、クランクシャフトの剛性を高めるとともに、デュアルマス・クランクプーリーダンパーを採用し、クランク軸のねじり振動を抑えました。そのうえ、ピストンのオフセット量を拡大し、メカニカルノイズも低減させています。

パワープラントの剛性を高め、しかも軽量・コンパクト化を達成。
そもそも軽量・コンパクトなうえに、アルミダイキャストシリンダーブロックを採用するなど、直列5気筒エンジンは、同クラスの直列6気筒エンジンにくらべ、全長で100mm短く、かつ40kg以上も軽量です。
そしてさらに、パワープラント全体の剛性を高めつつ、補機などに改良を加えることで、エンジン単体で4kg(旧インスパイア2.5L比)の軽量化を達成しました。これにより、低燃費とすぐれた走行性能を高次元で両立しています。

●高効率のシングル・ラジエーターを採用
すぐれた材料技術が、アルミの肉厚を薄くしてフィンの面積を拡大することを可能にし、しかも腐食の問題も克服するなど、冷却板自体の性能を大幅に向上させました。その結果、1列の冷却板で2列と同等の性能を確保しています。そのうえ、エンジンルーム内の通風性を改善させることでオイルクーラーが不要となり、省スペース、軽量化も果しました。

●スターターモーターを小型・軽量化
パワーステアリングポンプの低フリクション化などにより、エンジンの負荷が軽減。スターターモーターの小型化が可能になりました。

アイドリング時の振動をいちだんと低減する
電子制御液封エンジンマウントを採用。
5点式エンジンマウントのうち、フロント両側を電子制御液封タイプとしました。これにより、アイドリング時のステアリングの振動や騒音を低減。高品位な乗り心地を実現しています。
電子制御液封エンジンマウント

電子燃料噴射システム=PGM-FI採用。
走行中のさまざまな状況下で、つねに燃焼の最適制御を行ないます。


←前のページへ---目次へ---次ページへ→