DOMANI - 1992.10


DOMANI
DOMANI
 

TECHNICAL NOTES




ENGINE
よりきもちよく。
VTECエンジンを加えた3タイプの
高性能エンジン・バリエーション。

セダンの走りで大切なことは、まず市街地のようなストップ&ゴーを繰り返す状況でも、無理なくスムーズに走れること。さらに充分な加速性能も備え、しかも低燃費であることなどがあげられます。ドマーニは、これらの実用性をなによりも重視するとともに、数値では表すことのできない「きもちよさ」といった感覚的なものを追求。“このクルマで求めているのは、限界の速さではなく、速さの質である”という方針で開発を進めました。
その結果、ドマーニにふさわしいエンジンとして、

質のチューニングを施した1.8LDOHCエンジン。

VTEC機構(可変バルブタイミング・リフト機構)をもち、高トルクと低燃費の両立を実現した新開発1.6LVTECエンジン。

ベーシックエンジンとして定評の1.6Lハイパー16バルブエンジン。

という3タイプのパワーユニットを設定。実用域で充分な力を発揮し、心地よさを実感できる、ハイクオリティ・パワーを実現しています。
※VTEC=Variable Valve Timing & Lift Electronic Control System


1.8L DOHC
+PGM-FI

総排気量

1,834cm3

最高出力(ネット値)

140PS/6,300rpm

最大トルク(ネット値)

17.4kgm/5,000rpm

10・15モード走行燃料消費率

14.2km/L(運輸省審査値5速MT車)

Si, Si-G 型式E-MA5


1.8L DOHC+PGM-FIエンジン


常用回転域の高トルク特性を生かし、
質のチューニングを施した1.8LDOHCエンジン。
1.8LDOHCエンジンは、インテグラで定評のコンベンショナルタイプのバルブメカニズムをもつパワーユニットをベースに採用。力感のある高出力・高トルクを発生する特性を生かしながら、ドマーニ専用にリファインを行ないました。
具体的には、エンジンのノイズやバイブレーションをできる限り低減するために、ピストンバランスを見直すとともに、潤滑性を向上。そのうえシリンダーブロックの剛性を高め、クランクプーリーのダンパー効果による振動を改善。またアクセルレスポンスを改善するなど、音や振動、ドライバビリティを重視した“質のチューニング”を施しました。
さらに排気音では、低周波の不快なこもり音を考慮し、大容量サイレンサー(1.6Lハイパー16バルブエンジン用に比べて容量15%アップ)を、ドマーニ専用に開発しました。
その結果1.8LDOHCエンジンは、低回転域からのパワフルな立ち上がりと加速の伸びが得られると同時に、心地よいエンジンサウンドと排気音を実現するなど、トータルとして、ドライバーが質感を実感できるエンジンに仕上がっています。



1.6L VTEC
+PGM-FI

総排気量

1,590cm3

最高出力(ネット値)

130PS/6,600rpm

最大トルク(ネット値)

14.8kgm/5,200rpm

10・15モード走行燃料消費率

15.4km/L(運輸省審査値5速MT車)

Vi 型式E-MA4


1.8LDOHCエンジン


トルク重視の走りと低燃費を
高度にバランスさせた、新開発1.6LVTECエンジン。
ホンダは、1988年にVTEC機構を備えたDOHCエンジンを開発して以来、走りの性能に応じたさまざまなタイプのVTECエンジンを完成。シビックなどに搭載してきました。この技術はドマーニにも踏襲され、より実用的なセダンにふさわしい1.6L VTECエンジンを新たに完成させました。
吸気側バルブタイミングとバルブリフトの切り換え機構をもつ、1.5L VTECエンジンをベースに、ストロークをロング化するとともに、専用のカムシャフトを採用することでトルク特性を改良。最高出力は130PS/6,600rpm、最大トルクを14.8kgm/5,200rpmと向上させ、合わせて10・15モード燃費15.4km/Lを達成しています。この高トルクと低燃費の両立を図ることによって、より実用性が高く余裕のある走りを実現。さらに1.8L DOHCエンジンと同様の、大容量サイレンサーの採用により、高い質感をも獲得しています。


VTEC構造図

VTEC構造図



1.6L VTECエンジンの常用回転域動力性能
エンジン特性では常用3,000〜3,500rpmで1.5L VTECエンジンに対し、トルク値で1.0〜1.2kgmアップ。この常用回転域でのトルクアップがドライバビリティ向上に大きな効果を果たしています。しかも、AT車のギアレシオを1.5L VTECと同等の設定としたことにより、同一回転数ではアクセル開度が小さくなり、実用燃費にも貢献しています。


1.6L HYPER 16-VALVE+PGM-FI

Ri 型式E-MA4

Ri-F 型式E-MA6

総排気量

1,590cm3

最高出力(ネット値)

120PS/6,300rpm

最大トルク(ネット値)

14.5kgm/3,000rpm

10・15モード走行燃料消費率

15.6km/L(運輸省審査値Ri-5速MT車)


1.6L HYPER 16-VALVE+PGM-FI


高性能・高効率で信頼性の高い高密度ベーシックエンジン。
1.6Lハイパー16バルブエンジン。
信頼性の高いベーシックエンジンとして定評のある、ホンダ独創の高密度パワーユニット、ハイパー16バルブ。PGM-FIとの組み合わせによりハイパワー&ハイレスポンスを発揮するこのエンジンにも、ドマーニならではの改良を加えました。
主に吸排気系の仕様を変更することで、最大トルクの発生回転数を3,000rpmという低回転にチューニング。常用域で、よりなめらかで力強い走りを可能にしています。


AT車にはアクセル系統にもチューニングを加え、
スムーズで操作感の良いアクセルフィーリングを実現。
ドライバーの意思をエンジンに伝えるアクセル系統にも、ドマーニの「きもちよさ」を追求しています。まず、アクセルワイヤー内部のしゅう動部材をテフロン加工にして、フリクションを低減。さらにアクセルペダルの全開荷重を軽くし、レシオを低めに設定。ストロークも従来よりも約10%短めに設定することで、スムーズなエンジン特性にマッチングしたダイレクト感のあるアクセルワークを可能にしています。(Ri、Ri-Fを除く)


「ネット」とはエンジンを車両搭載状態で測定したものです。

燃料消費率は、定められた試験条件での値です。従って走行条件等により異なります。



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