DOMANI - 1992.10


DOMANI
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TECHNICAL NOTES




SAFETY
事故回避のための知能化技術や、
万一の際に乗員を保護する先進装備の数々。

すべての人が安心して乗れる快適なセダンであるために、ドマーニにとって安全性能は大切な基本のひとつであると考え、高次元な発想でクラスを越えた安全装備を備えました。事故を未然に防ぐために「一次安全性能(アクティブセーフティ)」としては、「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能を徹底的に高めるとともに、人間の能力では対応しきれない状況下において、知能化技術によって危険を回避させることを目的とした、TCS(トラクションコントロールシステム)やABS(アンチロックブレーキシステム)を用意。運転に大きな余裕をもたらします。
万一の衝突時に対する「二次安全性能(パッシブセーフティ)」としては、高剛性かつクラッシャブル構造をもつモノコックボディを採用し、フロントおよびリアからの衝撃を前後部分で効果的に吸収。また横方向からの衝突に対しては、ドアビームを装着。こうした構造面でキャビンへの影響をできる限り抑えたうえで、乗員の顔面への衝撃を緩和するために、運転席用のSRSエアバッグシステムを1.6〜1.8Lクラスとしては初の全車標準装備。助手席用までもオプション設定しました。さらには、事故の際の火災といった二次災害を防止するために、難燃材の室内表皮を採用するなど、随所に安全性を追求しています。

クラス初、全車に標準装備した、運転席用SRSエアバッグシステム
運転席用SRSエアバッグシステムを、1.6〜1.8Lクラスとしては初めて全車に標準装備しました。これは、シートベルトと併用することで、万一の際に、ドライバーの顔面への衝撃を緩和するためのシステムです。前方向からの衝突時の衝撃を感知するセンサーを内蔵したSRSユニット、窒素ガス発生装置のインフレーター、エアバッグなどで構成され、ステアリングホイール中央部のパッド内に組み込まれています。
センサーが一定以上の強い衝撃を感知するとインフレーターの電気点火装置に電源が供給され、窒素ガスが発生して瞬時にエアバッグが膨張。信頼性の高い電気着火方式です。

クラス初助手席用SRSエアバッグシステム(メーカーオプション)*Vi、Si-G
助手席用SRSエアバッグシステムも、1.6〜1.8Lクラスでは初めて用意しています。助手席乗員のさまざまな体格・姿勢の違いや、衝突形態を想定した多くのテストを繰り返し、効率良く受け止める大きさ・形状を設定。加えて、衝撃をできる限り小さくするために、エアバッグ本体がフロントウインドウに沿って上方向に展開するようにしています。
ダッシュボードの両サイドに1個ずつ取り付けられたダッシュセンサーと、センタートンネル部の室内に設置された診断ユニット内のカウルセンサーが、一定以上の前方向からの衝撃を感知すると、システムが作動します。なお、助手席用を装着した場合、運転席用も同じセンサーを用いて感知・展開する方式となります。

SRS(=Supplemental Restraint System)エアバッグシステム〔シートベルト補助乗員保護装置〕は、あくまでもシートベルトと併用することによって大きな効果を生むシステムとして開発されたものです。したがって、その乗員保護効果はシートベルトを正しく着用して初めて発揮されることをご理解くださるようにお願いいたします。

TCS〈トラクションコントロールシステム〉(メーカーオプション)*Si-G(ABSとセット装着)
滑りやすい路面などで発生しがちな駆動輪のムダな空転を、自動制御により防止するホンダTCS。発進加速をスムーズにする駆動制御だけでなく、コーナリング中の挙動を安定させる操安制御、悪路走破性を高める悪路対応制御までも実現しています。

3チャンネル・デジタル制御ABS〈4輪アンチロックブレーキシステム〉(メーカーオプション)
*Vi、Si、Si-G(TCSとセット装着)、Ri-F(イントラック仕様車)
前輪を左右独立制御した3チャンネル方式のABS。急制動時にコンピュータ制御によって車輪のロックを防止し、滑りやすい路面状況下でも最適なブレーキコントロールを行なうとともに、ハンドリングによる回避能力を確保します。また、ピストン型アキュムレーターの採用によってシステムがコンパクト化され、同時に専用の自己診断機能を備えることで、より確実なフェールセーフ性も実現しています。

TCSやABSはあくまでもドライバーのアクセル操作やブレーキ操作を補助するシステムです。したがって、TCSやABSがない車両と同様にコーナー等の手前では充分な減速が必要であり、無理な運転までは制御できません。安全運転をお願いします。

TCSシステム図
TCSシステム図

ABSシステム図
ABSシステム図



イントラック〈REALTIME 4WD×ABS〉(4WD車にメーカーオプション)*Ri-F
「走る」「曲がる」「止まる」というクルマの基本性能の向上をめざし、逞しい走破性能と確かな制動性能を実現したホンダ独創の4WDシステム、イントラック。後輪軸中央に配置された左・右トルクスプリット型V.C.(ビスカス・カップリング)が、路面や走行状態の変化に応じて前/後輪および後左/右輪につねに最適な駆動力を配分。しかも制動時には4輪すべてにエンジンブレーキが働き、安定感のあるブレーキ性能を発揮するとともに、3チャンネルデジタル制御ABSによって、より優れた制動性能を獲得しています。
※INTRAC:INNOVATIVE TRACTION CONTROL SYSTEM

イントラック・システム図

イントラック・システム図



そのほか、全車に標準装備した安全・安心装備

ドアビーム

ハイマウント・ストップランプ

フロント・リア3点式ELRシートベルト(後席中央は2点式マニュアル)

アジャスタブル・シートベルトアンカー(フロント)

フロントシート一体シートベルトアンカー

シートベルト締め忘れ警告ブザー&警告灯(運転席)

セーフティインジケーター

室内難燃材の採用


ドアビーム シートベルト



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