CR-V - 1995.10

CR-V
CR-V
 
クロカンの機動性


"いつでも""どこでも""気軽に""気持ちよく"
必要だったのは、自然を踏み越えない
タフネス性能でした。

社会に調和しながら、フィールドを問わず楽しめる。
それが、アクティブ・ムーバーの知的性能です。

自然の中で遊べるクルマ、とはいっても、どこへでも入り込めてしまう力はいらない。
ホンダはそう考え、CR-Vに必要最適な性能のみを与えました。
たとえば都市での軽やかな走りを基本にしながら、過不足のない力強さも両立させた4WD。
市街地走行だけでなく、不整地での走破性も考慮した4AT。
これが、街中からアウトドアまで気持ちよく楽しめる知的なクロカン性能です。


新設計の軽量デュアルポンプシステムを採用。
さらに進化したリアルタイム4WD。
ホンダ独自のデュアルポンプシステムを導入し、走行状況に応じて後輪にトルクを適切に配分。FFの軽快さと4WDの力強さを両立させた先進のメカニズム、リアルタイム4WD。CR-Vでは、専用チューニングを行ない、走破性、登坂性能、さらに悪路での信頼性を向上。かつメカニズムの大幅な軽量化も図りました。雪道やオフロードでは実にたくましい走りを。市街地走行では4WDを感じさせない軽やかな走りと低燃費をもたらします。

デュアルボンプシステム
リア・デファレンシャルとの一体化と全油圧制御によるシンプル化を実現。加えて新開発の軽量トランスファーの採用により、いっそうの軽量・コンパクト化を図ったデュアルポンプシステムです。このシステムはフロントとリアにオイルポンプを配し、前輪・後輪それぞれの回転数と同期して作動させています。発進・加速や登坂走行などで前輪と後輪に回転差が生じた場合、2つのオイルポンプの間に油圧が発生。油圧が多板クラッチを作動させ、前輪との回転差に応じた駆動力を瞬時に後輪に伝えます。
さらにCR-Vでは車両重量、タイヤ径などを考慮。ストレーナーの面積を大きくし、吸入油路径も拡大。多板クラッチへのオイル量も増やし、冷却能力をアップさせています。こうした専用チューニングを行なうことで、油圧応答性、後輪伝達トルク容量を向上。オフロードや登坂路でのいっそうたくましい走破性と同時に、4WDを感じさせないスムーズでなめらかな走りを生み出しています。



REALTIME4WD
 
デュアルポンプシステム断面図


デュアルポンプシステムの作動原理
通常走行時
前輪・後輪の回転数が同じであるため、2つのポンプ間に油圧は生まれません。この場合、フロントポンプから吐出したオイルは、そのままリアポンプが吸収。多板クラッチは作動せず、ほぼFF状態で走行します。
発進・加速時
前輪回転数が後輪回転数を上まわった場合は、フロントポンプとリアポンプの間に油圧が発生。油圧が多板クラッチを押しつけることで、回転数に応じた駆動力を瞬時に後輪に伝達します。
  デュアルポンプシステム作動イメージ


不整地走行を考慮した知的AT。PROSMATEC(プロスマテック)(Type II)。
トランスミッションには、ローホールド機構付7ポジション電子制御4速オートマチックを搭載し、ホンダ独創の知能的な変速スケジューリングシステム、PROSMATEC(TypeII)を組み合わせました。これはD4レンジでの走行において、スロットル開度やエンジン回転数、車速などからコンピュータが走行状況を判断。ファジー理論を応用して、最適なシフト制御を行ないます。とくにCR-Vでは、不整地走行を考慮した専用チューニングを施しました。登坂時や荒れた路面では頻繁な変速を抑えて力強く走行。降坂時にはエンジンブレーキの効果で安心感のある走りをもたらします。


PROSMATEC(プロスマテック)


市街地走行
4速で走行している場合、50km/h以上からの減速時に早めに3速にシフトダウン。軽いエンジンブレーキ効果が得られ、スムーズな再加速を可能にします。

高速走行
エンジンのフラットなトルク特性を活かした加速性能とロックアップコントロールにより、力強い加速感と低燃費、静粛性を実現。ストレスがなく、気持ちのよい高速クルージングをもたらします。

登坂路走行
ファジー制御によって、勾配や車速などの状況に合わせて3速、あるいは4速へのシフトアップポイントを高車速側に連続的に変化させ、走行状況に応じた最適シフトを選択。ドライバーの意志に忠実な、スムーズでダイレクトな走りを実現します。

降坂路走行
勾配や車速、ブレーキ操作などから3速にシフトダウン、急な降坂では2速までシフトダウンさせ、さらに強力なエンジンブレーキを効かせます。走行状況に応じたエンジンブレーキで安心感のある走行を実現します。

不整地走行
走行抵抗に応じて、2速での走行領域を広げることにより、不整地や悪路走行時でもたくましい駆動が得られます。


CR-Vのシフト装置には
ブレーキペダルを踏まないと、セレクトレバー[P](駐車)位置からのシフト操作が行なえないシフトロック機構
[P]位置にあるときのみイグニションキーを抜くことができるキー・インターロック機構
[R](後退)位置にあることをチャイムでドライバーに知らせる後退位置警報装置が装備されています。




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