FACT BOOK
CIVIC TYPE R
CIVIC TYPE R 2007.3.29
ベースモデルのボディ剛性を活かし、高効率に軽量・高剛性化を実現。強化サスペンションとハイパフォーマンスタイヤで限界を高め、優れたコントロールクオリティーを実現。
ボディ
TYPE Rは従来、ベース車へ主にタワーバーなど剛性部材を追加することで剛性アップを図っていました。
今回シビック TYPE Rでは、ベース車が極めて高いボディ剛性を備えていたため、主に取り付け剛性の強化により、わずか1.8kgという最小限のウエイトアップで高次元の軽量・高剛性ボディを実現しました。
ベース車であるシビックの4ドアボディは、ストレートフレームを効率的に使った新骨格であり、フロントまわりでは、バルクヘッドの閉断面化、ダンパーtoダンパーの剛性向上(ダッシュボードアッパークロスメンバー)、ピラーtoピラーの剛性向上(ステアリングハンガービーム)などにより高い剛性を実現。
リアまわりでは、高エネルギー吸収ストレートフレームや2本の大断面クロスメンバーなどによって、全体でクラストップレベルの剛性を実現。加えて、リアのクロスメンバーとリアフレームの軸点近くをロアアーム取り付け点としているため、モーメントが発生しにくく、ロッドやバーを追加する必要がないなど、ベース車から優れたポテンシャルを有しています。
そうしたベース車の素性のよさを活かしながら、サーキットでの徹底的な走り込みを重ね、最適な剛性強化ポイントを見いだすことで、路面からの入力に対して変位の少ない高剛性ボディを実現。シャープなハンドリングやリアの高いスタビリティが優れたコントロールクオリティーに寄与しています。
※2.0L4ドアセダンクラス Honda調べ
ボディの軽量化ポイント ボディだけで13.4kg軽量化
ボディの軽量化ポイント
ボディの剛性強化ポイント インテグラ TYPE R(DC5)対比 ボディ剛性約50%アップ
その他の主な軽量化項目
フロントライセンスベース廃止
ミドルフロアクロスメンバー ガセット廃止
フロントシールラバー廃止
フロントフェンダーエンクロージャー廃止
センターピラー セパレーター廃止
リアホイールアーチ セパレーター廃止
ミドルフロアクロスメンバー パッチ廃止
ドアミラー電動格納機構廃止
スペアタイヤ廃止(応急パンク修理キット装備)
リアシートトランクスルー機構廃止 など
シャシー/タイヤ
シャシーでは、コーナリングスピードの向上と、優れた安定感と一体感を実現するコントロールクオリティーの向上をめざし開発を行いました。高剛性のセダンボディにより、ポテンシャルの高いサスペンションを採用することができ、限界性能の高い18インチのハイパフォーマンスタイヤの投入が可能となりました。
セッティングの方向性は、主にリアでロール剛性を高め限界を向上させながら、フロントは相対的に柔軟にすること。
それにより、フロント外輪に十分に荷重を掛けて高いコーナリングフォース引き出し、限界を向上させアンダーステアを抑え込む優れたステア特性を両立。さらに、今回新たに、フロントで伸び側のダンパー減衰力の立ち上がりポイントを低速側に設定し、減衰力の素早い立ち上がりで内輪のジャッキアップを抑制。
タイヤにかかる接地圧を高めることでトラクションを有効に引き出し、コーナリングスピードの向上に寄与させています。
また、全体として、ハイスピード、高荷重に対応するために各部を剛性アップしています。
フロントに320mm、リアに282mmの大径ディスクブレーキを投入。あわせてBrembo社製4ポットキャリパーをフロントに採用し、頼もしい効きと剛性感のあるペダルフィーリングを実現。冷却性能にも徹底してこだわることで、サーキットで周回を重ねてもフェードを気にせず走れるほどの優れた耐フェード性を実現しました。
■サスペンション主要諸元比較(ベース車[シビック2.0GL]対比)
スプリングレート 66%〜164%
110%〜220%
ダンパー減衰力(伸び/縮み)
0.3m/sec時
153%/264%
309%/277%
スタビライザー径 107%(中実化)
191%
ダンパーマウントブッシュ 147%
サスペンションの主な強化ポイント
サスペンションの主な強化ポイント サスペンションの主な強化ポイント
フロント:マクファーソン・
ストラットサスペンション
リア:リアクティブリンク・
ダブルウィッシュボーンサスペンション
専用開発18インチタイヤの特性 耐フェード性に優れた大径ブレーキ
専用開発18インチタイヤの特性 耐フェード性に優れた大径ブレーキ

前のページへ 目次へ 次のページへ