CIVIC/CIVIC HYBRID

変速ショックのないスムーズな走りや、エンジンの最適燃費領域の有効利用により低燃費化に貢献する、自動無段変速機ホンダマルチマチックS。シビックハイブリッドでは、新Hondaハイブリッドシステムの高トルクと燃費特性を最大限に活かすためにさまざまな改良を施しました。伝達効率を徹底して向上したうえで、高速側へギア比を拡大したワイドレシオ設定とすることで、走りの力強さを増しながら、クルーズ時の効率を最大3.5%向上するなどさらなる低燃費化に貢献。同時に、クラッチ類の容量を増やすなど、パワーユニットの高トルクに対応。さらに、これらに対応しながら、従来のシビックハイブリッドと同等のコンパクト設計を実現しています。また、走行状況に応じてきめ細かな変速制御を行うなど、人間の感覚に自然な走行フィールを実現しています。

比較数値は従来モデル（シビックハイブリッド）比　Honda測定値

新Hondaハイブリッドシステムの力強さと低燃費をさらに引き出すHonda独自のCVT、ホンダマルチマチックS。（シビックハイブリッド）

伝達効率を向上し、さらなる低燃費化に貢献。

ドライブプーリーとドリブンプーリーの軸間を広げ、駆動半径を拡大するとともに、ドライブプーリーを押すプーリーピストンをダブル化することで受圧面積を大幅に拡大。これらにより、低い油圧での変速動作を可能とし、伝達効率を向上しています。

■ホンダマルチマチックS（カットモデル）

■プーリーピストン断面構造比較イメージ

新Hondaハイブリッドシステムの性能を活かす、高トルク対応設計。

前進用クラッチを増やすことで、低油圧化しながら許容入力トルクを大幅に向上。発進クラッチもクラッチディスクを大径化したうえで、枚数を増加。新Hondaハイブリッドシステムの高トルクを確実に駆動輪へ伝達します。

さまざまな走行シーンでドライバーの感覚にリニアな走りが得られる、
高知能な変速制御。

Dポジションでの走行では、ドライバーのアクセル／ブレーキ操作や車速などの情報から走行状況を判断し、適切な変速比を選択。エンジン回転数を抑えた低燃費走行はもちろん、エンジン回転数を高く保ったスポーツ走行など、ドライバーの意志に、より忠実な走りを可能にしています。さらに、コーナリング時の横Gを算出し、スポーティな走行状態であると判断するとアクセルオフ時のエンジン回転数を高めに保持する、コーナリングGシフト制御も採用。アクセルのオン／オフ操作が多いワインディングなどで、ハイレスポンスな加速が得られます。

エアコンディショナーのコンプレッサーに、パワーユニットの補機ベルトでの駆動と専用モーターでの駆動の両方に対応するハイブリッドタイプを採用。アイドル停止時でも安定した空調性能を発揮します。また、急速冷房時以外は専用モーター単独での駆動を可能としたほか、湿度が低く窓が曇る心配のない場合にはコンプレッサーの運転を制限するなど、エアコン作動時の燃費への影響を最小限に抑えます。

■	モーター駆動

アイドル停止時や室内温度と設定温度の差が小さいときには、専用モーターのみで駆動。モーターの回転数を可変させることで、設定温度を維持します。

■

ベルト駆動

専用モーターで調節できる範囲を超えているときには、パワーユニットの補機ベルトで駆動します。

■	モーター駆動＋ベルト駆動

エアコン作動初期や、室内温度が設定温度より非常に高いときには、パワーユニットの補機ベルトと専用モーターの両方で駆動。急速にクールダウンします。

ブレーキ操作時に、回生ブレーキ量の変化に応じて油圧ブレーキ量を調整する協調回生ブレーキシステムを新開発しました。通常のエンジン負圧を利用したブレーキブースターに対し、モーターで蓄圧した油圧で倍力する油圧ブレーキブースターを採用。アイドル停止時や気筒休止時、モーターのみの走行時などでも安定したアシスト量を確保するとともに、油圧ブレーキ量の自在な制御を可能にしました。これにより、従来のシビックハイブリッドではドライバーのブレーキ踏力に応じた制動力を保つために一定量に制限していた回生ブレーキを、最大限に活用。減速エネルギーを効率よく電力に回生します。

■協調回生ブレーキの制御イメージ

■協調回生ブレーキのシステム構成